青物横丁で飲んだことはありますか?実はじっくりと梯子酒をしたことはほとんどありません。大井町駅から徒歩圏ですので、ゼームス坂を歩いて両方の街を飲み歩けばなかなか楽しいエリアなのですが、昔はあんまり飲むところがなかった印象です。
ただ、駅前を通る商店街は旧東海道なので街そのものの歴史はとても長く、飲み歩きに限らず散歩をしていてもとても楽しい場所なんです。最近はぽつりぽつりといい雰囲気の酒場がオープンし始めていて、これから注目したいエリアと思っていました。そんな青横に大本命が登場、なんと三田の名物酒場の駒八が2016年5月10日にオープンしました。
もともと、駒八系列でラーメン店だった場所なのですが、リニューアルということで本腰を入れた酒場に生まれ変わったのです。駒八といえば、三田界隈の飲兵衛にはお馴染みの創業40年の酒場。海鮮が強く、日本酒のラインナップもしっかりしている、酒場好きが好きになれる酒場です。
店内は厨房を囲むL字カウンターとその奥に広がるテーブル席。広くゆったり飲める大衆酒場という感じ。オシャレではないけれど、酒場ってこうだよねという正しい姿があり、それが酒場好きの私には落ち着きます。
ビールは本店同様にアサヒスーパードライ。コク・キレ、すっきりとした味で、今日も乾杯!
お通しは卯の花。さて、何を食べましょうか。メニューを見ていきましょう。
生ビールは480円、チューハイ類は350円から、ハイボールは専用の氷点下ディスペンサーから注がれる樽詰めニッカのフリージングハイボールでなんと290円。暑い季節にこれをがぶがぶ飲むのはいいんですよね。
食べ物は500円前後が中心。田町・三田の駒八でお馴染みのカボチャアーモンド揚げはぜひ食べたい。駒八おやじこと、社長の八百坂さんは北海道のご出身なので、料理に北海道の雰囲気が感じられます。
オープン日の特別メニュー。煮込み、唐揚げ、手作り自家製さつま揚げなどは駒八にきたら必ず頼む基本メニューです。初めての方はこの3品から始めてみると良いと思います。
日替わりのお刺身はどれも新鮮なのですが、とくにお得価格のサービス品は250円と驚きの価格。この日は黒ソイでしたが、毎回旬のものがでてくるので、三田の本店ではこれを目当てに来る常連さんも多い。
さて、日本酒をいただきましょう。駒八の日本酒のチョイスはなかなかのもの。久保田、八海山、真澄、雪の茅舎、いまでも憧れる”ちょっといいお酒”がなんと500円均一です。注文すると目の前で溢れるほど注いでくれます。純米・吟醸系でも500円、本店の三田よりも攻めの価格設定です。界隈で飲む日本酒好きはとりこになるのではないでしょうか。
出羽桜の吟醸酒「桜花」をいただきましょう。山形県天童のお酒。ふわっと広がる華やかな吟醸香で、これはもうお刺身しかありません。
駒八の名物料理、函館直送のヤリイカの姿造りです。見てください、この美しい艶。かすかに透き通る身はとても甘い。生姜醤油を軽くつけてつるつるといただきましょう。イカの刺身はどんな酒場にもありますが、これほど鮮度で味が左右される食材も珍しい。
出羽桜の吟醸酒にスルメイカ刺身。お酒っていいね、一日のストレスもぱっと癒されます。
もくもくとイカ刺しと日本酒を交互に口に運んでいましたが、ちゃんとレビューもしなくちゃですね!とくに、アーモンドカボチャ揚げはどんな料理か想像がつかないと思いますので、ご紹介いたします。見たとおり、そのままで衣の代わりにたっぷりのアーモンドが使われています。かぼちゃの甘さとアーモンドの脂の旨味と塩気が絶妙なバランスです。
北海道といえば、じゃがいものイカ塩からのせも郷土料理として人気です。蒸かしたじゃがいもに載せても十分美味しいのですが、駒八は軽く素揚げされていて、これがさらに日本酒やビールとの相性を高めています。
野菜系のおつまみも多いので、揚げものやお刺身ばかり食べずにバランスよくつまみましょうか。ちゃんとした食材でちゃんとした料理を出す、あたりまえのことなんだけど、こうして提供されると嬉しいです。
日本酒からホッピーへ切り替え。焼酎は氷入りとはいえグラスの半分以上に注がれて出て来るので飲兵衛にはたまりません。
先ほどのスルメイカですが、ゲソやイカミミは天ぷらか塩焼きで作りなおしてくれるサービスがあります。刺身でつるりと食べられる鮮度ですから、天ぷらにしてもふわふわと柔らかく美味。
どーんと飲もう、という方はこちら、しっかりサイズのハイボールのメガサイズで500円。なかなか飲みきれない豪快さ。もちろん私も挑戦しました。うん、キンキンに冷えたブラックニッカハイボールはいいね!
そうそう、駒八は最近見かける機会の多いラムハイを扱いはじめました。
すっきりしているけれど、チューハイにはないほのかにクリーミーに感じる味があり美味しい。酒場でテンションが”アガル”素敵な一杯です。
刺身、揚げもの、北海道というのがキーワード。カウンターで一人酒もいいですし箱が大きいので簡単な飲み会にも使い勝手の良いお店です。
全体的に価格が抑えられていますので普段使いにちょう良さそうです。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
駒八青横店
03-5461-0058
東京都品川区南品川2-17-25
16:00~(詳細確認中)
予算2,800円