都心から鉄道でのアクセスも良好な奥多摩・御嶽エリア。JR御嶽駅すぐの場所にある『玉川屋』は、実は大正4年の創業で、この山間部で100年以上続いてきた老舗なんです。明治時代の民家を活かした茅葺き屋根の建物を今も使用しており、木の香りに包まれた温かい空間が広がります。今回は、渓流沿いの静かなロケーションで、名物の湧水で打つ田舎蕎麦や川魚料理をつまみに一杯飲んできた様子をご紹介します。
御嶽渓谷の自然に溶け込む、文豪ゆかりの茅葺き屋根

JR青梅線の御嶽駅を降りてすぐ、ハイキングコースのふもとに店を構えています。すぐそばには多摩川の清流が流れ、奥多摩の豊かな自然を身近に感じられるロケーション。明治時代の民家をそのまま活かした茅葺き屋根を今も使っています。
創業は1915年(大正4年)。太宰治や木山捷平が通った記録もあるそうです。作家は今も昔も蕎麦好きが多いですね。

店内は昔ながらの素朴で温かい空間。お昼から通し営業をしており、お昼のピークを過ぎた頃からは、登山や散策を終えた人々が疲れを癒やしに立ち寄る姿がありました。筆者は蕎麦前そのものが目的なので、青梅線から直行でやってきましたが…。
さて、ここの打つ蕎麦は、北海道旭川産などの国内産蕎麦粉を100%使用しているとのこと。水が豊かなこの地の蕎麦屋らしく、蕎麦打ちには山の水を使い、常に打ち立てを提供しているそうです。
過度な派手さはありませんが、この静かな環境で真っ当な蕎麦前を満喫できる点が最大の魅力だと思います。
稚鮎の天ぷらと一番搾り、そしてこだわりの天ざるそば

席に着き、まずはキリン一番搾りの大瓶を注文しました。ハイキング客で賑わう店内、皆さん結構下山後のビールを楽しまれている様子。私もさっそく冷えたビールをグラスに注いで、それでは乾杯。

合わせる肴は、季節を感じる「稚鮎の天ぷら」を選びました。
※季節や仕入れ時期などで取り扱いがない場合があります。
山女の塩焼きなど、奥多摩らしい川魚料理に心惹かれます。神田にも荻窪にも立川にも蕎麦の名店はありますが、蕎麦前で山女や鮎があることが、ここまで電車に揺られてくる理由なんです。

軽く塩をつけて口へ運べば、稚鮎特有の優しい甘さと、川魚らしいチリチリとした身の食感が広がります。

ほどよい脂の乗りと僅かな苦味が絶妙なバランスで、これは奥多摩の地酒「澤乃井」が進みます。
打ち立ての田舎そばを味わう

軽く飲んだところで、いよいよお蕎麦を。「天ざるそば」を頼みました。ほどよいコシの強さが特徴の田舎そば。出汁がしっかりと効いたつゆにつけてすすると、蕎麦の香りが鼻を抜けます。
添えられた天ぷらは、海老やキスに加えて、たらのめ、ふきのとうなど、季節に応じて天然山菜が盛られてくるので楽しい。

特別、地のものというわけではありませんが、ここは親子丼も実は美味。

風味豊かで、これをつまみにもう少しチビリと飲みたくなります。キリン、もう一本!
景色とともに味わう真っ当なお蕎麦屋さん
渓流沿いの静かな場所、100年以上続く確かな歴史。都心部の錚々たる名店もよいですが、こういう場所で田舎蕎麦を楽しむのも、これはこれで楽しい休日の楽しみだと私は思います。
都心から少し足を伸ばすだけで、日常の喧騒を忘れて静かにグラスを傾けられる貴重な空間。リフレッシュできました。さあ、沢井駅へ移動して、「澤乃井」の飲み比べへと参りましょうか。ごちそうさまでした。
| 店名 | 手打ち蕎麦 玉川屋 |
| 住所 | 東京都青梅市御岳本町360 |
| 営業時間 | 11時00分~18時00分 月定休 |
| 創業 | 1915年 |
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