東京の台所として長年食文化を支えてきた築地。卸売市場が移転してからは、すっかり観光地になりましたが、まだまだ地元客向けに続けている老舗もあります。今回ご紹介するのは鰻の名店『はいばら』の2号店もそのひとつ。朝10時開店、市場関係者や近隣の会社員も通う地域密着店です。
ここは、都心で朝から鰻で飲みたいときの最適解!
卸問屋直営ならではの確かな品質と地域密着の空気

豊洲へ市場の機能が移転した後も、築地場外市場は食のプロや買い物客、観光客で賑わい続けています。とくに、特定の食材に特化した食品卸が多いのが特長。なかには直営の飲食店もあり、いまでも築地にいく理由のひとつとなっています。
今回訪ねる『はいばら2号店』は、長くこの地で商売を続けてきた鰻商、1958年創業の榛原鰻販売株式会社が手がける直営の鰻専門店です。ちなみに、交差点近くの1号店は持ち帰り専門。築地が生活圏の私は、2020年頃の外食が難しかった時期、はいばら1号店の鰻弁当に助けられました。

店内飲食が可能な2号店は、観光客でごった返す築地場外市場の中。総席数80席の広々としたお店です。場所柄、国内外からの旅行客の利用が多いですが、いまでもウインドブレーカー姿が似合う築地や豊洲の関係者がやってくる地域密着の鰻屋さんです。

地元で愛されている理由は、早朝から仕事をする皆さんに合わせて午前10時に開店することと、国産鰻を1枚使った鰻重が3,500円という安さ。気取らない食堂の雰囲気が漂い、一人でもふらりと立ち寄れます。もちろんお酒もありますよ!
艶やかな蒲焼に箸を入れる瞬間の高揚感

飲み物はサッポロラガービールの中瓶。赤星の心地よい苦味が、朝の乾いた喉を潤してくれます。

注文した鰻重でもっとも手頃な「梅」3,500円。ちなみに竹にすると、お吸い物が肝吸いになり肝焼きが加わりますが、鰻重のサイズ感は変わりません。

それにしても、観光地価格が目立つエリアで、国産活鰻をこの価格帯で提供できるのは、さすが卸問屋直営ですね。

三河一色のブランドうなぎ「艶鰻」を使用しているとのこと。

重箱の蓋を開けると、端正な顔立ちの蒲焼が目に飛び込んできます。

真ん中から箸を入れると、身はふっくら柔らかく、皮目には適度な弾力が残る見事な焼き上がり。甘くさらりとしたタレが、山形県産「つや姫」のやや硬めに炊かれたご飯と好相性です。

脂はほどよく残されていますがくどさは皆無。持ち帰りでお世話になることが多いですが、やはり焼き立てが一番です。

中盤からは、卓上の「ぶどう山椒(和歌山県有田川町産)」をミルで挽いて振りかけます。

挽きたての爽やかな香りと舌先に残るピリッとした辛味が、うなぎの脂と調和し、ますます箸が進みます。

添えられたお新香、とくに奈良漬けのコク深い味が赤星によく合い、箸休めにぴったりです。これは、上喜元純米吟醸の冷酒が欲しくなる!
築地の朝を満たす、老舗鰻問屋の心意気
都心で朝からうなぎを食べたくなったとき、10時開店の「はいばら」は頼りになる存在。1号店の持ち帰り専門店を含め、長年築地で商売を続けてきた老舗の矜持が、手頃な価格設定と確かな味に表れています。
築地を訪れた際は、寿司・海鮮丼以外の選択肢、路地裏の鰻商で安くて美味しい正統派の国産鰻の鰻重もぜひ!
店舗詳細


| 店名 | はいばら築地2号店 |
| 住所 | 東京都中央区築地4丁目13−16 |
| 営業時間 | 10時00分~14時00分 市場休市日と同じ水日定休 |
| 創業 | 1958年 ※2号店は1989年開店 |
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