ここは京成立石。飲兵衛の遊園地。いや、天国か。地元の人達が通い続けてきた老舗酒場はどれも名店揃いで、噂を聞きつけた東京中のお酒好きが集結し、ますます賑わいを増しています。最近は海外からのお客さんもちらほら。立石はいまや飲兵衛なら一度は立ち寄らなくてはならない街になりました。
そんな大人の遊園地「立石」でトップクラスの人気アトラクションがここ、「江戸っ子」です。同名のお店が亀有にもありますが、実は同じ系列。あちらは亀有の関所、こっちは立石の関所を名乗ります。18時には広いカウンターがいっぱいになるほどの人気店。その魅力をさっそく見てみましょう。美味しいもつ焼・煮込みが待っています。
焼酎ハイボールが人気のお店ですが、最初の一杯はやっぱりビールがよいかな。どんと登場スカイツリージョッキです。アサヒビールがスカイツリーの隣ということもあり、スカイツリーの高さと同じ634の容量です。
さすが繁盛店、クオリティが抜群に良い生です。写真からもこれが伝わりますか?
それでは乾杯です!
すぐに出る江戸っ子定番メニューの煮込み。あっさり白味噌ベースで、モツの下ごしらえが大変良く旨味だけでえぐみはゼロ。モツからの旨味がしみだしたスープに長時間浸かったお豆腐も絶品です。
上シロ刺しは酢味噌をかけて。もちもちとした食感としっかり味の酢味噌はほんとうによく合います。
もつ焼はちょっと時間がかかりますが、これだけのたくさんのお客さんの次々飛んで来る注文をかるがるとこなしているのはスゴイ!
最初に食べる串は、やっぱりてっぽうでしょう。しっかり噛むほどに美味しく、これまた煮込み同様えぐみは皆無で、ぎゅっと旨味がつまっています。熱いうちにガシガシと食べればビールが進むこと間違いない。
でも、やっぱりこの味にはあれを合わせておきたいな。
ということで、おまたせいたしました。焼酎ハイボールです。下町ならば「ボール」のひとことで通じるもつ焼のベストパートナーです。
琥珀色をしているのが下町の焼酎ハイボールの特長で、甲類焼酎にお店独自のエキスをたらしてそれを強炭酸で割って出来上がり。お店それぞれの個性があり、下町の飲兵衛ならば、どこどこの酒場のあのボールがイイとそれぞれお気に入りを持っています。
さて、江戸っ子のボールといえば、やはりレモン風味が強いのが個性かな。甲類は三楽を使っていますが、エキスは秘伝のもので、私も内訳は不明です。
亀有の江戸っ子で原液をつくり、それを立石に運んできているようで、まさに門外不出のレシピというわけ。ガス圧が高くお腹がすぐに膨らみますが、それもまた楽しい。
ピリ辛レバーなどもつ焼だけではないモツ系小鉢が豊富で、どれもはずれがないのが素敵。
てっぽうから始めていますが、ここにきたらぜひ食べて欲しいのがつくねとカシラ。タレはさらさらですが、重ねてタレにつけていくことでよく馴染んでいて、他のもつ焼とはちょっと違う感じ。
名物女将がいれる焼酎ハイボールはやっぱり美味しい。度数が高く結構へろへろになってしまいますが、3杯は確実に飲んじゃいますね。
わいわい賑わうカウンターで隣の人と袖振り合いながら楽しむこの空間。女将さんをはじめお姉さんたちの絶妙にやんちゃな接客もあいまって、ここはいつもお祭りのような雰囲気です。
カウンターで飲むのが好きな方、まだ未訪問でしたらぜひお試しあれ!平時の6時までならば比較的入れやすいはず。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
江戸っ子
03-3694-9593
東京都葛飾区立石7-1-9
16:30~21:00(日)
予算1,800円