バンクーバー「侍」 安くてボリュームたっぷりの昼酒処でジャパンビール

バンクーバー「侍」 安くてボリュームたっぷりの昼酒処でジャパンビール

2017年10月18日

バンクーバーはカナダの太平洋側の玄関口。カナダ国内で3番目、210万人の都市圏です。

複雑な入り江の中にある天然の港で、公共交通として水上バスが発達しています。またサーモンを筆頭に魚介類の水揚げ量はかなりのもので日本でいうお魚市場のような施設も人気。様々な料理で海鮮食材が盛んに使用されています。

世界中から移民が集まるバンクーバーは、食べられない料理はないと言われるほど多国籍な飲食店が揃い、特に和食はファーストフード店以上に店数が多いほど定着しています。今回はそんなバンクーバーで安くてボリューム満点、しかも昼から通しで飲めるお店をご紹介します。

 

バンクーバーの中心であるウェストエンドは都市全体が半島で、海と緑が豊富。イングリッシュ・ベイは鳥と人の距離が近く、一緒になって日向ぼっこ。ここで飲めたら最高なのですが、カナダは公園や路上での飲酒は法律で禁止されています。酒屋さんは東京並に多いのに残念(笑)

その代わりと言ってはへんですが、お酒を提供する昼営業の飲食店は多く、パブやバーでなく一般的なレストランでも昼マティーニで酔いどれます。

 

デイビーストリート沿いの「侍」もそんな昼から飲めるレストランのひとつ。ズバリの店名通りジャパニーズレストランです。バンクーバーのジャパニーズレストランは日本におけるフレンチ的な存在で、高級な店がやや多め。安いお店は日本人が経営・監修・調理をしていないこともあり、日本人から見るとへんてこジャパニーズになることも多いので、そういうのを狙っている人以外はお気をつけください。

 

侍はとにかく安くてボリューム満点。寿司、刺身、焼魚から天ぷらに餃子、和蕎麦までなんでもござれ。居酒屋メニューも充実しているので、日本食に飢えたらここ。

 

テーブル席のほか、カウンター席もあり。スタッフに日本人が居て困ったら日本語でもなんとか注文可能。店内に流れるBGMは90年代のJ-POPです。ヒゲタ醤油と日本製寿司ケースがセットされたカウンターは、このカットだけなら日本と言っても違和感ゼロ。

 

ビールは樽生がサッポロ、瓶でキリンとアサヒがあります。バンクーバーでナショナル3社があるお店は貴重。と言っても、ここまできてサッポロビールを飲まなくても、なんていうツッコミが来そうですが…。

生ビールはパイントで$5と、日本と同じくらい。

 

北米仕様のサッポロジョッキは麦が描かれています。北米における日本ビールシェア1位はサッポロビール。バンクーバーでも日本の樽生はその多くがサッポロです。

では乾杯!

製造はサッポロビールの子会社であるスリーマンビール(カナダ3位)。黒ラベルではなく、こちらは「サッポロプレミアム」という別銘柄で味もちょっと違う。でもだいたいサッポロ味の枠の中といった印象で、これはこれで定期的に飲みたくなります。

 

ローカルビールでモルソンなどがあり。現地ビールの味で育ってきていないので、バンクーバーで最初に欲した飲食物はナショナルビールでした(笑)モルソンも美味しいのですが…

 

ここはまるで総合居酒屋。たこ焼き、手羽先、ろばた焼きまでなんでもあり。ソフトシェルクラブ揚げやムール貝のガーリックバターなどに逆に違和感。

 

鰻の天ぷらを巻きずしにしちゃったのか。でも美味しそう、そんなことをぶつぶつ言いたくなる楽しいメニュー。おすすめはバンクーバーオリジナルのBCロール(ブリティッシュコロンビアロール)です。

日本人にはカリフォルニアロールしか知られていないけれど、世界には未知なる巻きずしが隠れていそう。世界飲み歩きの楽しみに、巻きずし巡りを。

 

現地在住の日本人もファンが多いようで、〆料理?はまるで駅前食堂です。

 

名物BCロール$3.95ととってもリーズナブル。それでいてびっくりするほど量たっぷり。サーモン(タイヘイヨウサケ)で包んだスリミ(カニカマ)の巻きずし。アボガドときゅうりが入るのがポイント。なんでも巻きずしの「あなきゅう」の穴子が手に入らないことから、穴子の代わりに現地の定番食材のサーモンを使ったことが発祥だとか。

 

海苔を表面に魅せないのがこちら側の流行り。見た目が黒い食べ物に抵抗があるからねと現地のタクシードライバー。

 

ビールはバドワイザー!ではなくてキリン一番搾り。ラベルが日本と似ているようでどこか違う。間違い探しをどうぞ。日本ではバドワイザーをキリンが製造するように、北米・カナダはバドワイザーをつくるアンバイザーブッシュ社がキリンビールを製造しています。

 

鮭が続きますが、とにかくバンクーバーの魚といえば鮭。鮭カマ焼き($5.25)もまたすごいボリュームで。一人で飲みに来ていますが誰かとシェアしたい。でもこれがマヨネーズとサルサソースが続く食事の合間だと、ほっとするんです。結局完食、脂乗ってて美味しかったです。

 

$5.95と生ビールより高級なチューハイを頼んでみました。えっと、これはオレンジジュースでは…。オレンジでいい?と聞かれたのでイエスと答えましたが、果汁系オレンジジュースに乙類をいれたチューハイには度肝を抜かれました。キンミヤさん、博水社さん、ビール各社さんも、チューハイの市場はまだまだ大変です。

なんだかんだで、13時頃からぼーっと飲んでいい気分。お客さんはこの時間から飲む人は…バンクーバーでもいるようで、現地の人が陽気に「KANPAI」って言いながらサッポロ生ビールを飲んでいました。

バンクーバーで酒場に行きたくなれば、ここはいかがでしょう。あ、チップをお忘れなく。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

Japanese Restaurant Samurai
+1 604-609-0078
1108 Davie St, Vancouver, British Columbia V6E 1N1, Canada
11:00 – 23:00
予算$25