浅草『駿』下町の気風の良さと、関西割烹の繊細さ!天然魚と雪中熟成酒の極上ペアリング

浅草『駿』下町の気風の良さと、関西割烹の繊細さ!天然魚と雪中熟成酒の極上ペアリング

浅草六区とかっぱ橋の間、西浅草の居酒屋『駿』を訪ねます。長年新橋で腕を振るってきたご主人が、地元である下町に戻って開いた実力派のお店。豊洲市場で直接買い付ける天然魚や、手間暇かけた関西割烹の手法を取り入れた料理が名物です。昔からの常連さんから女性の一人客まで、日本酒好きが集まる隠れた名店をご紹介します。

(タイアップ:月山酒造株式会社)

下町っ子が披露する本格和食の世界

西浅草のかっぱ橋本通りにあるカウンターだけの小さな居酒屋『駿』。かつて新橋で連日満席になっていた酒場『駿』のご主人が2024年に始めたお店です。新橋時代は、私も何度かお世話になりました。

以前は水炊きや、テレビやグルメ雑誌で紹介されたハムカツポテトサラダサンドが評判でしたが、浅草に移転した現在は、店主さんお一人で切り盛りする日本酒と旬の魚介料理を楽しむ料理屋さんになりました。

ご主人の生まれは中央区・月島。6歳くらいまでを月島で過ごしたのち、母方の実家がある江東区・亀戸へ移り住みました。当時の亀戸は、お菓子屋さんが多く並ぶ町だったそうです。当時の下町ならではの土地感覚を冗談交じりに話してくれたのが印象的でした。

そして、この生い立ちに欠かせないのが浅草との縁。浅草好きなおばあ様に「浅草行こう、浅草行こう」と0歳の頃から連れ回されていたそうで、かつて国際劇場にあったSKD(松竹歌劇団)を幼少期に見ていたという、なんとも深い記憶の持ち主。月島生まれ、亀戸育ち、そして幼い頃から通い詰めた浅草。今回の移転は、ご主人にとって一種の「原点回帰」だったのかもしれません。

大人になってからは、料理の道一筋。関西割烹で修行されており、出汁の取り方や味付けにその技術を感じます。

新橋時代からの常連さんが、わざわざ浅草まで足を運ぶというのも納得。それでは、実際にいただいた料理とお酒のペアリングをご紹介していきます。

品書き

日本酒以外のメニュー
日替わりのメニュー

豊洲直送の天然魚と関西割烹の技を堪能

お通しから始まる極上の日本酒ペアリング

日本酒とあわせることを前提にした料理をだしてくれる『駿』。乾杯から日本酒をいただきましょうか。銀嶺月山 純米大吟醸生酒(Type-N)で乾杯。

お通しは、鱧の梅肉添え、バイ貝、イチジクの生ハム巻き、うなぎの肝煮、京しろ菜とジャコのお浸しが並ぶ豪華な五品盛り。

豊洲市場でご主人が自ら買い付けた天然の高級食材が並びます。華やかでフルーティーな生酒が、鱧の淡泊な旨みやイチジクの甘みに優しく寄り添います。

厚切り刺身と雪中熟成酒

刺身盛り合わせ:1,500円

続いて、ヒラマサ、スズキ、シメサバ、白バイ貝の刺身盛合せを注文。

すべて天然ものにこだわり、浅草の気風に合わせてあえて厚切りで提供されるのだそうです。夏のしめ鯖、ほどよい脂をよく〆ていて酸味と旨味のバランスが絶妙。

天然のヒラマサの素直な美味しさ。久しぶりに頂きました。これはたまらない!

魚の力強い弾力と脂の乗りをぐっと感じられ、これはしっかりとした日本酒が欲しくなる。

合わせるお酒は、水色のボトルが涼しげな銀嶺月山の「雪中熟成」を選択。山形県産の酒米と軟水である月山の伏流水を用い、雪山のなかにタンクを埋めて3ヶ月間じっくり寝かせたこだわりの銘酒です。

角が取れたまろやかな味わいが、天然魚の上質な脂にさらりと重なり、旨みを引き立ててくれます。

関西割烹の技が光る煮付けと純米酒仕込みの梅酒

温かい肴として、目板鰈(メイタガレイ)の煮付けも追加。ヤングコーン、椎茸、ズッキーニが美しく添えられていました。

関西割烹で修業したご主人の技術が光る一品で、醤油を立たせず出汁と甘みを活かした上品かつ濃厚な味わいを堪能できます。フレッシュでキレのある銀嶺月山純米吟醸生酒(青ラベル)が、濃密な煮汁の余韻をすっきりと整えてくれました。

もう少し飲みたいな、ということで3品目。ブロッコリーのカラスミがけなどの小鉢に、純米酒仕込みの梅酒を合わせてみることに。店主さんの遊び心のあるお酒の提案も魅力のひとつ。

寒河江産の希少品種である「谷沢梅」を使った山形の里を感じる優しい梅酒です。

たっぷりかかったカラスミの塩気と、梅酒の綺麗な酸味のバランスが良く、口の中はさっぱり整いました。

イカワタのルイベも頂きましたが、これまた秀逸。ちびりちびりとずっと日本酒を飲んでいたい!

生い立ちと修行が滲み出る、下町の気風と関西割烹の融合

料理に登場する食材へのこだわりも相当なもの。豊洲市場の仲卸とは長年の信頼関係があり、「駿さんのためなら」と良いものを回してもらえる間柄なのだとか。夏は鱧や夏野菜、秋から冬にかけてはあんこう鍋や鴨鍋と、季節ごとの表情も楽しめます。

予算感は客単価5,000〜6,000円ほど。お任せ料理(4品2,100円〜6品4,000円)にお酒を2〜3杯合わせるのがスマートな入り方で、常連さんはそこに一品二品わがままを言いながら、もう少し飲んでいくそうです。

燗酒は鉄瓶でつけてくれるそう。冬も楽しみ。

『駿』の魅力は、下町の気風の良さと関西割烹の繊細な技術が融合しているところ。月山酒造の雪中熟成のように「時間の手間」を惜しまないお酒と、ご主人の「手間を惜しまない料理」が、どこか精神的に共鳴しているようにも感じました。

店名季節料理 西浅草 駿
住所東京都台東区西浅草2丁目25−12 三富ビル
営業時間17時30分~23時00分
創業新橋で2008年オープン
2024年 浅草に移転 業態を料理屋さんへ