大塚駅から三業通りを7分ほど歩くと見えてくる『小倉庵』。1960年創業の老舗蕎麦店です。通りの名前の通り、かつて花街として栄えた商店街にあります。蕎麦も蕎麦前も充実しており、夜は居酒屋利用するお客さんがほとんど。今回は、酒場好きにも知ってほしい、地元密着型の蕎麦の名店をご案内します。
花街の名残を留める大塚で、66年愛される手打ち蕎麦

大塚での取材終わり、ふと気づけばまだしっかりと食事をとっていませんでした。駅周辺は日本酒にこだわる居酒屋や話題のエスニック料理店がひしめき合っていますが、今日の気分は断然、お蕎麦屋さんの丼ぶり。そんな夜に、迷わず足が向くのが『小倉庵』です。

ここ大塚は、かつて料理屋や芸者置屋が並ぶ東京有数の花街でした。現在も料亭が点在し、落ち着いた大人の空気が漂います。『小倉庵』は昭和35年、新宿・牛込にある同名店の支店として暖簾を掲げました。現在の店主さんは4代目。ご家族で切り盛りされているあったかいお店です。

店内に入ると、壁に掲げられた大きな黒板メニューや小上がりの座敷が目に飛び込み、昔ながらの町の蕎麦屋らしい温かみに包まれます。昼間は近隣のサラリーマンで賑わい、夜になれば地元のお客さんたちが思い思いにお酒を楽しむ憩いの場へ変わります。
提供するお蕎麦がすべて自家製粉の手打ちである点も見逃せません。以前は機械打ちだったそうですが、近年、手打ちへ戻したそう。それでも値上げはしていないのですから蕎麦好きにはたまらない。

細打ちの「生粉打ち」や太打ちの「田舎そば」といった十割蕎麦から、季節の素材を練り込んだ変わり蕎麦まで蕎麦の種類も豊富です。
旬の桜海老かき揚げと、出汁香る上親子丼を肴に

まずはキリン一番搾りの生ビールで喉を潤します。お通しの柿の種をつまみながら、豊富な一品料理から何を頼むか考えるのも楽しい時間です。つまみが大変充実していて、日本酒も冷蔵庫にゴロゴロと一升瓶が冷やされています。板わさは小田原鈴廣の蒲鉾というのもこだわりを感じます。
桜海老のかき揚げ

今回は春の味覚、桜海老のかき揚げをお願いしました。品書きにある、かき揚げが乗った「てんぐ蕎麦」の具材を単品で用意してもらいます。

ザクザクで香ばしい。塩にちょんとつけてつまめば、自然とビールが進みます。
上親子丼
しっかり食事も兼ねて、上親子丼を追加しました。

親子丼だけでなく、上親子丼があるのが珍しいですね。丼ぶりも玉子や鶏肉の大きく立派!
響きの良い「上親子丼」、毛筆で書いて壁に貼りたい言葉。

大きめの丼には、大ぶりの鶏肉とふわとろに仕上がった玉子がたっぷり乗っています。

蕎麦屋ならではの返しと出汁がしっかり効いており、甘辛く奥深い味わいがお酒によく合います。

玉子の層は厚くてホクホク。親子丼も蕎麦屋の準主役ですね!
冷たい蕎麦湯割り

これはお酒が進んじゃう。ということで、蕎麦焼酎を注文しました。ここでは冷たい蕎麦湯割りも選べます。とろりとしてマイルドで、ミルキーな口当たり。蕎麦の優しい風味がじんわりと広がり、これだけでも立派な肴になります。
毎日でも通いたくなる、地元に根付いた粋な酒場

「よいしょ(揚げ餅と大根おろし)」や「葉衣(野菜天)」など、遊び心のあるネーミングがおもしろい。確かな技術に裏打ちされた手打ち蕎麦や丼ぶり、おつまみと、居心地の良い大衆的な町蕎麦の空間が共存しているのもいいですね!
時間帯によってはお酒を楽しむ常連さんで満席になりますが、少しタイミングを見計らえばすっと席に着けます。大塚の夜にふさわしい、あったかい地域密着の名店。近くへお越しの際は、暖簾をくぐってみてはいかがですか。

店舗詳細



| 店名 | 手打ち蕎麦 小倉庵 |
| 住所 | 東京都豊島区南大塚1丁目42−8 |
| 営業時間 | 11時30分~15時00分 17時00分~20時00分 火は昼のみ営業 水定休 |
| 創業 | 1960年 |
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