東京駅からも徒歩圏内、八丁堀。証券会社や大手企業のオフィスが立ち並ぶこの街は、昼時は多くのビジネスマンが行き交います。とくにランチタイムの飲食店は戦場となりますが、夜は意外なほど落ち着いて飲める街なんです。
今回ご紹介する『山福ラーメン』もそのひとつ。店名に「ラーメン」とありますが、夜は麺をすする音よりも、グラスを合わせる乾杯の音が似合う、侮れない中華酒場なのです。
目次
平成初期の空気がそのまま残る店内

江戸時代、城の防衛と江戸湾の舟運拠点として整備され、八丁堀。堀の長さが八町(873m)あったからというラフな付け方が江戸時代らしいですね。いまは東京中心部のビジネス街です。

そんな八丁堀で長く働く人たちが愛用する店が、『山福ラーメン』。平成の初め頃を感じさせる、少し懐かしい店構えが目印です。
暖簾をくぐると、そこには予想以上に広い空間が広がっています。ランチタイムは相席必至の賑わいを見せますが、夜はゆったりとした時間が流れています。

蛍光灯が白々と照らす明るい店内。ムードのある薄暗い酒場も素敵ですが、町中華飲みにおいてはこの飾らない明るさが逆に心地よいもの。仕事の書類や新聞を広げても読めるほどの明るさが、一日の終わりの「日常」を感じさせてくれます。
夜はラーメン屋にあらず、ここは中華酒場
まずはサッポロ黒ラベルで乾杯

席につき、まずは瓶ビールを注文。こちらの銘柄はサッポロ生ビール黒ラベルです。雑多な空間には瓶ビールが似合いますね!
中華飲み定番、軽やかな餃子

ビールのお供には、まず「じゃがいもとピーマンのピリ辛冷菜」を。シャキシャキとした食感と程よい辛さが、空きっ腹を優しく刺激します。
続いて運ばれてきたのは餃子(690円)。

こちらの餃子は、皮が薄く、少し細めの形状。たっぷりの油で揚げるように焼き上げられており、箸で持ち上げるとパリパリとした感触が伝わります。
餡は野菜が中心。肉汁たっぷりというよりは、スナック感覚でパクパクと食べられる軽やかさが特徴、ビールのお供として完成度高し!
紹興酒はボトルキープが可能

餃子をつまんでいると、ビールグラスが空になりました。ここからは紹興酒へシフト。もう少し度数高めて飲みたくなっちゃいました。
グラスで頼むのも良いですが、しっかり飲むならボトル(1980円)が断然お得。そして驚くべきことに、ここにはボトルキープのシステムがあります。

ボトルキープできるというのが、酒場として愛されている何よりの証拠。私はキープするほど残らないですが…。
お酒が進む「パイコー」は単品注文で

さて、ここに来たら外せないのが名物の「パイコー」です。
多くの人はパイコー麺として注文しますが、飲兵衛におすすめしたいのが単品注文(880円)。ダイレクトに肉の旨味を楽しめます。
カラッと揚がった豚肉にまとわせた衣は、食欲をそそるカレー風味。スパイシーな香りが鼻腔をくすぐり、紹興酒を持つ手が止まらなくなります。ボリュームがありながらも880円という価格設定も、良心的な町中華ならでは。
五目炒麺で締める

お酒とパイコーを堪能したあとは、締めの炭水化物を。
麺類やご飯物が充実していますが、酒飲みの締めには「五目炒麺(1040円)」を推したいところ。具材の旨味が溶け出したあんと、香ばしく焼かれた麺が絡み合う。餡の味でもう一本中瓶が欲しくなるかも。

ラーメンと冠していますがここは酒場。店名だけで判断してはもったいない一軒。店主の人柄も温かく、初めて訪れてもどこか懐かしい気分に浸れます。
仕事帰りにふらりと立ち寄り、明るい店内でカレー風味のパイコーを齧りながら紹興酒を傾ける。そんな平日の夜もたまにはいかがでしょう。
店舗詳細


| 店名 | 山福ラーメン |
| 住所 | 東京都中央区八丁堀4丁目9−6 玉清塩部ビル |
| 営業時間 | 11時00分~14時45分 17時00分~22時15分 日祝定休 |
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