大山『喜龍園』40年中華の100種類メニューに悩む、楽しい中華飲み

大山で40年以上続く大衆中華「喜龍園」。昔ながらの商店街が広がるこの街に根付く家族経営の一軒です。100種類にも上る膨大なメニューから今夜の一品を悩む時間もまた、楽しみの一つです。

東武東上線の大山駅は、いくつもの活気ある商店街や路地が入り組む個性豊かな町です。

商店街は個人経営の商店が多く、特にお惣菜店には列ができるほど賑わっていますが、居酒屋や食堂といった飲食店も人気店が揃っています。東上線は普通列車しか止まりませんが、飲み歩きがお好きな方はぜひ一度途中下車してみて欲しいエリアです。

大衆中華（町中華）も人気店がいくつかあり、その一軒が「喜龍園」です。赤いファサードが、いかにも昭和の中華という雰囲気です。

いらっしゃい、どうぞー。

ベテランのお姉さんたちが迎えてくれます。蛍光灯がくっきりと照らす白い空間に、テーブル席がずらりと奥へと並んでいます。

そこには、お店の人と仲良く話している常連さんたちの姿も。店の奥にはキープボトルが並んでおり、夜は飲み屋利用する人もいます。

まずはビールを。

横の冷蔵庫からすっと取り出し、同時に抜栓してトンと置かれた瓶ビール。このリズムが好きです。老舗中華に似合うラガービール。瓶ビールの大瓶（640円）で乾杯！

品書き

A3サイズほどの大きな品書きには、びっちりとメニューの文字が並んでいます。眺めているだけでビアタンは2杯くらいあっという間に乾いてしまいそう。

お酒

ビールは大瓶でアサヒスーパードライとキリンレギュラーラガー。樽生ビールもあり、銘柄はキリン一番搾り（530円）です。酎ハイ・ハイボール類は居酒屋感覚で見ても安く感じる300円から。ホッピーも取り扱いがあり、ナカ、ソト別売りで各230円。数人で飲むならば、キンミヤやジンロのボトル（1850円など）をいれてわいわい注ぎあうのも良さそうです。

おつまみ

中華飲みの魅力がぎゅっと詰まった品揃えです。大皿の炒めものや五目うま煮（1,090円など）だけでなく、一人飲み向けの「おつまみ」シリーズがあり、エビチリ、肉団子、唐揚げなど460円とお手頃価格です。

人気の点心はやっぱりギョーザ（430円）。半分ギョーザ（215円）という、こちらも一人飲み向けがあるので、とても助かります。

定食、麺類、ご飯類もこの通り、大変充実しています。常連さんに人気なのはもやし（餡掛け）そば。お隣のグループの方が「うま煮そば」も美味しいと教えてくれました。

悩んだ末の注文は…

ギョーザ半分（215円）

そこそこに大きく、一人飲みならば丁度いいくらい。これで215円はとっても良心価格です。

もちもちの生地に包まれた、生姜をしっかり効かせた餡が印象に残る焼き餃子。余韻にすっとビアタンを口に運べば、ほら大満足。大瓶もう1本お願いします。

きゅうりと焼豚の辛子あえ（600円）

甘めの焼豚にトマト、きゅうり、刻みネギを合わせて、生姜、ラー油、醤油タレで豪快に和えた一品。唐辛子の味がピリリと効いています。

野菜を食べなければいけないけれどおつまみになる料理がほしい。そんな気持ちにぴったりです。

夏場は冷菜として大人気なのだそう。

紹興酒（180ml 570円）

ボリュームのあるおつまみをのんびり摘みつつ、テレビの情報番組を眺めるひととき。ゆっくりとした時間が流れています。手元のお酒は紹興酒（黄酒）の越王台3年熟成。燗にしてもらい、ちびちびといただきます。

商店街のほっとできる中華店で、癒やしのひとときを。

ごちそうさま。

（取材・文・撮影／塩見 なゆ）