御茶ノ水『中華料理やまだ』学生街価格の町中華で麻婆チャーハン。夜は飲み客多し

御茶ノ水駅すぐの場所に、そこだけ時間が止まっているような大衆中華があります。『中華料理やまだ』は80年続く界隈きっての老舗。驚くのは料理の安さ。学生街とはいえ半チャーハンセットが750円とは驚きます。夜は仕事帰りの会社員たちが酒場利用しています。

前払いの店ですが、酒類やおつまみも豊富

御茶ノ水から神保町、神田にかけて、老舗の大衆中華（町中華）が点在しています。再開発や後継者問題などで閉店が相次ぐ町の中華屋さんが都心にこれだけ残っているのは素晴らしいこと。学生の街、出版の街というのも関係しているのでしょう。しっかり飲める店が多いのも嬉しいです。

御茶ノ水駅前にある『やまだ（山田屋）』は、食品サンプルがなかったら中華屋さんとは思えないシンプルな店構えです。店の歴史はなんと80年近いそうです。

店に入るとベテランのお姉さんが帳場に立ち、「いらっしゃい！なににする？」と尋ねてきます。ここは基本的には前払い制です。支払うとプラスチックの札を渡されるので、これをテーブルにおいて料理をまちます。

「基本的には」と書いたのは、飲み客は例外だから。カウンターとテーブルを並べた、いかにもさっと食べて出ていく雰囲気の店ながら、おつまみやお酒が充実しており、実際、夜は会社帰りの人たちが居酒屋使いしています。品揃えはこんな感じです。

17時の開店にあわせてきましたが、あっという間に店内は満席に。半分くらいのお客さんが飲み客で、少しずつ酒場らしい雰囲気に変わっていきました。私ももちろん中華飲みが目的です。まずは瓶ビールのアサヒスパードライで乾杯！

お酒のつまみは、店自慢のギョウザや、夜のみ提供されている自家製チャーシューなどがあります。それらを肴に飲むのもよいのですが、今日はどうしても麻婆チャーハンとビールをあわせたい！

どうですか、このボリューム。これで750円、なんと良心的なのでしょう。

片側に寄せたチャーハンの上からたっぷりの麻婆豆腐をかけたこのビジュアル。見た目だけでビールが進みます。

チャーシューが入ったチャーハンはしっとり系。辛さではなく旨味で食べさせる濃い味の麻婆豆腐と相性ぴったりです。

案外、麻婆チャーハンって珍しいのではないでしょうか。チャーハンをつまみにお酒を飲むのがお好きな方は、都心の駅前という便利な立地でもありますし、一度訪ねてみてはいかがでしょう。

お酒を飲む方は、おつまみが注文できる夜がおすすめです。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）