武蔵小山「鳥勇本店」毎日が縁日。大人の買い食いは缶ビールをお供に

武蔵小山「鳥勇本店」毎日が縁日。大人の買い食いは缶ビールをお供に

2018年3月19日

再開発が進む武蔵小山で、それでもなお昭和の活気を漂わせているのは、きっと商店街が元気だからでしょう。

東急目黒線の武蔵小山駅から中原街道まで、全長800mもある武蔵小山商店街PALMは人通りの絶えない地元に愛されるアーケードです。中原街道を越えると戸越銀座商店街に繋がり、商店街歩きで一日楽しめす。

ここPALMで香ばしい煙を漂わせている焼鳥屋をご紹介します。半世紀に渡り続く鳥勇です。もとは昭和元年の創業の精肉店で、鳥もつの販路として焼鳥屋を始めたと聞きます。

 

キレイになった武蔵小山駅。

 

以前は駅前のロータリーに面して、PALMの入り口に駅前店がありましたが再開発に伴い現在は少し奥へと移転しています。焼鳥の香りは駅を挟んだ都立小山台高校にまで漂っていたとか。

 

本店は駅から最も離れた中原街道寄りにあります。今日もお昼から次々と鳥が焼けていきます。

 

串焼き専門で、店頭には軽く焼き置きしている串がずらりと並びます。並んでいるものはすぐに注文可能、ほかはお願いすれば焼いてくれます。雰囲気は完全に縁日の焼鳥屋です。

 

串は全品150円。鶏肉店なので豚モツはなく、鰻串が唯一の他人。

 

親子連れや散策中のご隠居、上品な奥様と幅広いお客さん。皆さん持ち帰りで購入していきます。そんな中、ぽつりぽつりとその場で食べていく人の姿も。そして、片手には缶ビールというのが基本スタイルです。

 

ステンレスの保温台に載った串を自由に掴み、タレへ浸し、そのまま口へ運びます。

 

タレに浸せばこの通り。食欲をそそる照り感。さらりとした甘めのタレです。

 

商店街歩きの途中で買い食い。学生の頃は禁止されていたけれど、いまは誰もとめません。これに缶ビールが加われば罪悪感から優越感です。店頭でビールも販売しているので店先で立ち飲みは公認。どうどうと楽しみましょう。

 

ビールはアサヒスーパードライとキリン一番搾りの二種類で一本300円。ソフトドリンクとして烏龍茶の選択肢もあります。

ではでは、大人の買い食いで乾杯!

 

立ち飲みをしていても行き交う地元の人は気にかける様子もありません。これが日常の風景。焼き立てが台に加わると、ついついそれも食べたくなっちゃいます。つくねを衝動買い。

 

塩焼きでなんこつ(やげん)とすなぎもがあります。

 

食べた串の本数がそのまま伝票代わり。焼鳥屋を始めたときからのメニューである「ミックス」という、精肉店で発生した端物やモツを集めた串は一串でいろいろ食べられるからと、今も変わらぬ人気です。

串を食べたいだけ好きに食べ、缶ビール。千円ちょっとでできる大人の自由がここにあります。二本目はアサヒで。

 

アーケードの雑踏もよき酒の肴。ゼロ軒目としてムサコの梯子酒をまえに喉を整えるのにぴったり。

 

駅前店は移転して、アーケードからひとつ曲がった場所で営業中。こちらはテイクアウトよりも飲みをメインにしていて、しっかり飲むにも向いています。夜10時ころまでやっていますので、こっちは〆にもう一軒。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

鳥勇 本店
03-3781-0096
東京都品川区荏原3-5-11
11:30~19:30(無休)
予算1,200円