【閉業】すすきの「まねき屋本店」 いいなー、大衆酒場。駅直結ちょいと一献

【閉業】すすきの「まねき屋本店」 いいなー、大衆酒場。駅直結ちょいと一献

2017年4月6日

北日本最大の繁華街すすきの。そのシンボル的な存在がすすきの交差点です。歓楽街としての歴史は遊郭として造成された開拓時代にまで遡りますが、現在は飲食店を中心とした幅広い層が楽しめる街になっています。

そんなすすきの交差点に面した「すすきのビル」は、飲食店主体となったすすきのの顔のような存在です。大手ビール各社の巨大ネオン看板が輝き、ノンベエを酒場へと誘います。

 

すすきのビルの地階は、地下街や市営地下鉄すすきの駅と直結していて好アクセス。そこにちょい飲みに使える酒場が多数のれんを掲げていて、ある意味東京の横丁や大阪の駅前ビルのような存在となっています。

北海道では珍しい立ち飲みや、札幌を代表する焼鳥屋の本店もここにあります。中野新井薬師のもつ焼き屋がいることは、知らないでいるとびっくりするかも。

 

どの店も魅力的で、ここで梯子酒が完結してしまいそうですが、一軒目には「まねき屋」はいかがでしょう。大衆酒場の文字に偽りなし。鍋を囲むコの字カウンターにナイスミディが仕切る昭和酒場です。

 

1,000円の晩酌セットを求めて通う常連さんや、郊外からすすきのに出て来たら必ずまねき屋で飲んで帰るというご夫婦まで客層は様々ですが、お店の人もお客さんもとても温かい。

千円札二枚あればお釣りがきて、小一時間いい気分といったメニュー。アカガレイの刺身やニシンのかば焼煮など、日替わりの品書きはみているだけでワクワクします。

 

ビールはもちろんサッポロ。サッポロの星は北海道開拓使の五稜星からきています。この地で飲むサッポロビールには、開拓と挑戦のロマンを感じられ、乾杯がもっとおいしくなります。

状態抜群、恵庭醸造の黒ラベルが380円と美味しさ・お財布ともに嬉しい酒場です。

 

お刺身、焼き魚など海鮮系が主体で日替わりで旬が味わえます。看板料理は毎日丁寧に世話をしてつくるおでん。カラッと乾燥した札幌は年中おでんが美味しい。

 

カウンターに埋め込まれた飴色の大鍋をふんわり湯気が覆い、店の外まで昆布出汁の香りが漂います。この空気そのものに旨味成分があるのではないかと思うくらいで、ビールや道内産の日本酒が進むのです。

 

白く透き通ったおでん汁ですが、出汁がぎゅっと具に閉じ込められていて、塩気ではなく旨味で味わうものです。

 

姫ほっけ、たこザンギなど、観光客向けではない店で当たり前にまざっているのがいいですね。土地に根付いた酒場ならでは。

 

カップ酒は内地の銘柄もありますが、せっかくですから高砂国士無双(旭川)や金滴(新十津川町)などを片手に地の肴をつまみたい。

 

大阪名物とうたってはいるものの、海老、ホタテ、イカから始まる顔ぶれが素敵でしょ。

 

アカガレイ刺身(480円)。アカガレイは鮮度がよくないと刺身にできない魚。あっさりとしているのですが、噛むと心地よい海の香味が広がります。余韻を残しつつ、日本酒やビールを飲めば間違いない。

 

駅直結の使いやすさはもちろん魅力ですが、なにより雰囲気と料理がいい。コの字で女将さんたちの温かい接客にふれつつ、旬の魚やおでんに舌鼓をうつのはいかがでしょう。

カウンターを囲む椅子は木製のベンチシート。お隣さんとの距離も近く、酒場ならではのコミュニケーションが生まれる空間です。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/株式会社マルシンカワムラ・株式会社サッポロライオン・サッポロビール株式会社)

 

まねき屋 本店
011-520-9559
北海道札幌市中央区南4西3 すすきのビル B2F
15:00~翌0:00(日祝は23:00まで・無休)
予算1,800円