虎ノ門「升本」 正真正銘、老舗の銘店ここにあり

虎ノ門「升本」 正真正銘、老舗の銘店ここにあり

2014年11月14日

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老舗の酒場が好きだけれど、そのお店を求めて遠方まで出向くのはやはりたいへん。
できれば仕事帰りに立ち寄れるお店はないものかしら。

そんなあなたに知ってもらいたい!今回は山の手線の内側、虎ノ門の銘店を紹介します。

創業70年以上の老舗、酒屋がルーツの銘店「桝本」です。

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桝本という酒屋さんは1800年台からあり、そこから暖簾分けをした酒屋は多く、神田の升亀のマスも、ここからきていると言われています。

さて、桝本は完璧なまでの大衆酒場で、気取っていなくて、オシャレでもない。そのかわり、安っぽさはなく品質本位、いいものを提供し、それで通ってもらうという姿勢がはっきりとしたお店。一度飲みに行けば、ここの良さに惚れない人はすくないでしょう

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酒屋がルーツということもあり、日本酒の種類は実に多く、定番のお酒はいまでいうプライベートブランドになるでしょう、虎ノ門と霞ヶ関というお酒。
この定番酒はとにかくおいしいのですが、まず一杯目はビールでしょう。

瓶ビール(580円)をお願いします。
ここのビールは黒ラベル。この界隈、もともとサッポロさんが強いエリアでもありますしね。

それでは、乾杯です。

 

くいっと飲み干して、注文の料理がでるまで、次は日本酒と行きましょう。

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こちらが虎ノ門。
このご時世でも、1杯300円という良心価格。安かろうなんとやらではなく、お燗にすると旨味・香りがまいるどになり、実にバランスの良い銘酒。このお店のある虎ノ門の地名に恥じない立派なお酒です。

入れるグラスは上げ底でもなく、だいぶしっかりはいります。受け皿に溢れる分もいれて正一合にきわめて近いのではないでしょうか。

お燗された状態で、店員さんが銅製の容器でもってくるのもまた楽しいです。

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おっとととと。と表面張力でたっぷり。水飲み鳥にならなくてはこぼしてしまいそう。

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ビアタンともいえない、本当にちょうどいい感じのお燗酒グラス。マスのマークが入っています。

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お料理は、長く続くお店だけあって名物だらけです。タコおでんが好きな人もいれば、私のようにぶり大根を毎回頼む人もいます。
料理はどれも500円程度で、界隈のサラリーマンが週に何度も通えてしまう安心価格。それでいて、ボリュームもあるし、料理の腕もイイ、さすが老舗、おみそれいたしました。

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お酒好き、酒場好きならばこの画像だけでも飲めてしまうのではないでしょうか(笑)

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たこおでんについて先ほど話しましたが、それは関係なしに私のここでの定番料理を紹介していきましょう。
これはちくわ磯香揚げ。

よくある大衆酒場の定番ですが、味付けや揚げ方が上手なんですよ―。もし、磯辺揚げ大会なんてイベントがあって、私が審査員ならばここに金賞をプレゼントします。

キッコーマンのおしょうゆをおろし大根にほんのちょっとたらして、あとはぱくっと。そして先程のお燗酒をくいっと。

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肉どうふもも忘れてはいけません。
どじょうの柳川風になった肉豆腐は、煮込み系のそれとは別物。味付けはみりんの上品な甘みが心地よく、大衆酒場というよりは割烹的な味わい。もちろん、そんなおしゃれなものではなく、これをもぐもぐ食べるのがおいしいです。

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お酒をおかわりしつつ、ひき肉入り卵焼きを。
酒場メニューで一品は頼んでしまう卵系。卵焼きの味付けは出汁の風味がしっかりあり、ひき肉とたまねぎの食感が単純になりがちな卵焼きにアクセントを加えています。

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日本列島がお酒を飲んでいるこのメニュー。
最近紙面をにぎわすお酒は少ないですが、硬派で実直なお酒がならぶ様子に文句のある人はいないでしょう。

臥龍梅よいのですが、やはり頼みたいのはここの定番酒その2、霞ヶ関。

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霞ヶ関といいながら、ラベルをみれば京都の幻の銘酒「名誉冠」なのがわかります。

さて、名誉冠でぴんときたあなた、洛中で飲んだことがありますね?
そう、京都の名酒場「赤垣」の定番酒なのです。

もともと伏見でつくられていたお酒ですが、事情により製造していた会社がなくなってしまいました。それでも根強いファンが多く、とくに老舗の酒場で愛されていたことから、名誉冠と関係のある山本本家がいまは製造・販売を引継ぎ、続けているというもの。

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これを飲みに京都まで行くという人も多く、それだけの価値を感じるお酒です。
辛口と言いつつも、優しい甘みがあり、料理を引き立てるいいお酒。

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これが350円で飲めるのだから、京都に行かなくてすみますね。あ、でも、京都で飲みたい桃の滴やキンシ正宗もあるしなぁ。

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日本酒好きの方、ぜひ飲みに行って欲しいです。宴会も受けているので、忘年会は、少し硬派な大衆酒場でということでしたら、私のイチオシは「桝本」です。
飲んで食べて、3,000円くらいなのは嬉しいでしょう。

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見なゆ)

虎ノ門 升本
03-3591-1606
東京都港区虎ノ門1-8-16
16:30~22:30(土日祝定休)
予算3,000円