有楽町「新日の基」 日本最古の高架下で創業70年、マスターはイギリス生まれ

有楽町「新日の基」 日本最古の高架下で創業70年、マスターはイギリス生まれ

2014年10月20日
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有楽町にはすごいお店があります。
JR山手線の赤レンガアーチは、東京駅の開通に合わせてつくられた日本初の高架鉄道建造物で、東京駅とあわせて今年で築100年を迎えます。

いつもガード下で飲んでいる私が行きそうなお店と思うでしょ。
しかも、ビールも大好物の赤星(サッポロラガー)なのですから、なおさらです。

でも、このお店はほかのガード下にはない不思議な要素がたっぷり詰まっています。

入り口の赤ちょうちんには、ANDY’Sと書かれています。そう、新日の基のマスターアンディーさんはイギリス生まれの外国人。
そして、お客さんも8割は外国人なのです。

なので、気分は外国に滞在中にどうしても和食が食べたくて飛び込んだジャパニーズレストランのよう。
お客さんの会話もオーダーも外国語。メニューも英語版が標準になっていて、とにかくここはどこ?状態に。

それなのに、料理はお刺身から始まり、名物の真鯛の塩焼き、煮魚、天ぷらなどがあり、標準の瓶ビールが赤星なのだからおもしろい♪

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建物はレンガ建造の高架下なのでかまぼこ型をしていて、壁に行くほど天井が低くなります。
結構な頻度で頭上を通過する京浜東北線や山手線の音は聞こえるのですが、不思議と気になりません。逆によい環境音にすら感じます。

それでは、赤星で乾杯☆

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今日はいい甘鯛が入っているよとアンディーさん。
「ヨッシャ、まかせとけ!」と、とっても粋な彼は、お客さんを引きつける魅力を十二分にもっています。やはり大衆酒場はオヤジで決まるね!と、そんなことを考えながら、甘鯛を頂きます。

ねっとり濃厚、旨味がとろけます。これはたまりません。
甘鯛は焼くものだ、という概念はわすれたほうがよいかも。

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新鮮で食感が楽しい生しらず。これが数百円なのだから、立地から考えればとにかくコストパフォーマンスが高いです。
生しらず、こんな日本独自の食文化をなんなく気にせず食べている周囲の外国人は、かなりの日本通とみた(笑)

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生ビールはハートランドになっています。
専用のずんぐりジョッキでいただきます。回転率が良いお店の樽詰めはフレッシュで美味しい!

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太刀魚塩焼きは身質のよい魚ほど美味となりますが、このちりちりとした食感はたまりません。脂が乗りだした今だからこそ食べておきたい魚ですね。

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洋食メニューは皆無で、とにかく和食づくしのこの空間。
身なりの良い外国人が箸を上手に使って鯛の塩焼きを食べている姿は、なんとも素敵な感じ。ここは外国人と大衆酒場をつなぐ架け橋のような空間?

帝国ホテルに宿泊して、コンシェルジュに「Could you recommend a good IZAKAYA?」と聞けばここを紹介されるのかな。

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外国の方が日本酒をお燗にして飲むなか、このとき唯一の日本人客だった私たちだけワインを。
あれ、なんだか逆転している!?

ちなみに、アンディーさんおすすめのワインは、ニュージーランドが多めです。お酒のラインナップも豊富でなかなか楽しいです。

今宵もありがとう、美味しかったです。アンディーさん。
ごちそうさま。

新日の基
03-3214-8021
東京都千代田区有楽町2-4-4
17:00~
予算3,500円