上野「大統領」 街を代表する大衆もつ焼きは二級酒で


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進化のとまらない街、東京。
何も変わらないと思っていた上野でも、着実に変わってきています。

古きよき大衆食堂のムードが漂っていた聚楽もいまやガラス張りの明るい雰囲気に生まれ変わり、テナントも話題のお店ばかり。
東北の玄関口として、国鉄のどっしりとした風格が漂っていた上野駅も大改修によって、駅舎内はアトレをはじめとした商業施設がたくさんオープン。エキナカだけでも楽しい空間になりました。

それだけでなく、上野は商店街も進化しています。

駅前商店街の変化というと、おしゃれなお店やブランドショップが増えるというイメージがありますが、上野は違います。なんと、大衆酒場がにょきにょきと増えているんです。いまどき、こんな街ほかにあるでしょうか?

昔は仕入元が不明な怪しいアパレル屋が立ち並んでいた路地は、いまや一大立ち飲みタウンへと変貌。お祭りをやっているのではないかと思うほど、毎夜盛り上がっています。

 

そんな上野で、なにも変わらない一軒があります。「大統領」は、昭和25年創業。国電の高架下でもつ焼きを食べさせ続けて60年。戦後の復興を「酔・食」の方面から支えてきたお店です。

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肉の大山やカドクラがある通りに大きくてきれいな支店がオープンしましたが、本店は何も変わらないまま。
頭上を通る列車の音で会話が中断することがあるけれど、やはりこの雰囲気はすばらしい。

お酒はアサヒかに日本酒か、電氣ブランなんてのもあります。
どれも雰囲気にマッチしていますが、やはり常連は二級酒を好んで飲みます。

清酒の等級制が廃止された今も残るこの呼名こそ、お店の歴史を語っています。いまで呼ぶ普通酒や本醸造のようなものとは違い、一級も二級も普通酒のこと。酒税上の呼び方でしたが、1992年に改定されていまでは佳撰と呼ばれているものです。

安いから美味しくないかというとそうではなく、ここのお酒は二級酒が一番美味しい。
これが馬モツの煮込みとよく合うんです。

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ヤカンで温めた二級酒はポッドに移して保温されています。これからどふどぶと注がれるのがまたダイナミックでいい感じ。
何食べるー?と親しげに聞いてくる店主に、「適当に焼いてよ」と注文するとやってくるもつ焼き5本。こぶくろ、カシラなど定番一式。

一本90円と、この界隈の酒場では割と安い方。

甘めで濃い目の味付けで粘りのあるタレが絡んでいて、これが肉の旨味とよくあいます。お酒もグイグイ進んで、なくなってくると「はい、次ねー」と半自動的におかわりが注がれます(笑)

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豚モツのお店ですが、私のお気に入りはこのつくね。
鶏肉で作ったつくねで、もちっとしていて噛むほどに美味しい。

七味を大胆にふって、大ぶりの団子のがぶっと頬張ればいい気分。

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とはいえ、このお店のタレは濃い味なのであんまり食べ続けると飽きが来てしまいます。
タンやハツなどの塩が合う部位を別に頼んで、また味覚はリセット。三杯目のお酒をもらって、大将と上野よもやま話に花が咲きます。

おとなりの常連さんも会話に加わって、気づいたら10人入れるカウンターはみんな同じ話題で笑ったり悩んだり。こういう一体感っていうのは、大衆酒場ならではの魅力ですよね。

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今夜も大鍋から豆腐を眺めつつ、楽しい時間が流れていきます。

「なゆさん、久しぶりだよねー」という大将に、
「いやいや、大統領支店にはよく入っていますよー」と答えます。

支店の方からも、最近来ないよねと言われているからあぁどうしよう。絶対、肉の大山やカドクラに通っているなんて言えない(笑)

2時間ほどすごして4杯飲んでお会計2,000円。相変わらず安くていいねー!カウンターで飲む酒場の原点のようなものを感じるお店です。

上野と行ったら、やはり大統領を語らない訳にはいかないでしょう。
ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/なゆ)

大統領
03-3832-5622
東京都台東区上野6-10-14
10:00~24:00(無休)
予算2,000円

 



“上野「大統領」 街を代表する大衆もつ焼きは二級酒で” への2件のフィードバック

  1. 保坂 孝之 より:

    最近 月曜日の肉の大山でもお会いできなく
    残念です。お会いできることを願っております。

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