高知「安兵衛」 土佐っぽ集いし〆屋台。カリカリ屋台餃子で本気飲み。


酒の国・土佐。生産量は他県ほどではないですが、土佐っぽ(土佐人)はとにかくお酒をよく飲みます。世帯あたりの飲酒費用は全国平均の倍というのですから、すさまじいものです。

土佐っぽの特長を表す方言に「いごっそう」と「はちきん」があります。男性が「いごっそう」で酒豪の快男児。「はちきん」は快活で負けん気が強い女性のこと。

とにかくよく飲み、ガンガンものを言う。寡黙やおしとやかを美徳としている地域の人が高知の酒場で飲むと、きっと目を丸くするシーンに出会うでしょう。

 

そんな土佐っぽが散々梯子酒をした末にたどり着くのが屋台です。昔はもっと多かったそうですが、今も高知の夜の景色の一つとして屋台は欠かせません。

 

人気の「安兵衛」は、1970年(昭和45年)に鏡川沿いで6席から始まった餃子屋台。現在では50席もある巨大屋台に成長しています。そして、夜な夜な方言全開の土佐っぽが乾杯を繰り返しています。

 

寸胴やガス台が並ぶ内側に向いて、直線にずらりと並ぶカウンター席。元気なお兄さんたちは涼し気な表情で、次々富んでくる注文を手際よくこなしていきます。

 

看板料理の餃子にらーめん、おでんの3種類のみ。飲み物はアサヒスーパードライ、キランラガー、そしてコップ酒。正統派屋台の顔ぶれです。

 

おでんはすぐに提供されるので、とくに寒い日は駆けつけ一杯のよきお供。燗酒との組み合わせは間違いありません。高知名物のかまぼこ「すまき」も隠れています。

 

着席と同時に注文したアサヒスーパードライ(中びん500円)はほんの数秒で到着。テンポの良さも屋台の魅力です。トトトとビアタンへ流し、では乾杯!

 

お隣の地元のお兄さんとも、勢いあまって乾杯。酔ったらみんな友達のように盛り上がります。強火でガンガン焼かれる餃子を待ちましょう。

 

「はい、一人前ね!」と、すばやく届けられます。美しい黄金色とニンニクの香り。生気に満ちている屋台の雰囲気もあって、満腹でたどり着いても食欲が湧き出てきます。

 

仕込み置きせず、営業中も目にも留まらぬ速さで餡を包む職人さん。普通の餃子皮の半分ほどの薄皮で包むので、キャベツが透けて見えます。一人前ずつフライパンに並べ、最初は蒸し焼きし、その後たっぷりの油を入れて高温で揚げ焼きして完成です。

 

〆料理として生まれただけに、一口サイズで食べやすく、満腹であろうとも完食してしまいます。

 

高知県の名産であるショウガとニラが味の決め手。キャベツとひき肉、そしてガツンとニンニクを効かせていて、これがビールを強烈に誘います。

 

気がつけば満席。お店の外にもP箱(ビールケース)でつくった簡易立ち飲み台が登場し、席が開くのを待てない大人たちが酒盛りを始めています。

地元の方が大多数。老若男女が豪快に飲んでいます。土佐っぽの日常を覗いてみませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

屋台安兵衛
088-873-2773
高知県高知市廿代町4-19
19:00~27:00(土は28:00まで・日定餃)
予算2,000円



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