渋谷「魚力」 神山町に深みを加える存在、100年鮮魚の大衆食堂


渋谷駅の周辺はゆっくり飲めるお店は少なく、落ち着かない。どこか静かに昼酒ができるところはないものか。

今日もお昼から飲みたい気持ちをいっぱいにして、東京を西へ東へ。そうだ、と思い出して向かった先は、NHK放送センターにほど近い神山町商店街に構える一軒「魚力」です。

 

渋谷の喧噪は昔から得意ではなくて、つい地下へ、路地裏へ、横丁へと逃げてしまいます。一本入ると意外なほど静かでディープな酒場も多い。ただし、昼酒はあまり向いている街ではありません。

文化村通りを進み、東急本店を過ぎて歩くこと15分。いい運動です。

 

「魚力」は戦後、神山に移転してきた鮮魚店で、店構えも魚屋らしいタイルと冷蔵ケースの佇まい。

もとは大森で明治に創業した1世紀続く魚屋です。店内で食べさせるようになったのは1980年代からと聞きます。

 

入ってすぐは持ち帰り用の鮮魚や刺身が並びます。その奥へと進むと食堂のカウンターが広がります。

 

昼は定食屋、夜は食事利用も可能な海鮮酒場となります。夜はまた改めて紹介させていただくとして、今日は昼酒でいきます。

食券方式で、なんと札は発泡スチロール板。刺身盛り合わせ定食(1,080円)や銀だら照焼定食(1,280円)などがぶら下がり、どれも魚好きの心をくすぐるものばかり。

 

昼は定食メインですが、実は昼酒にも対応。おつまみにしたい定食の札をとり、単品にするように伝えればOK。お酒は夜は日本酒・焼酎が一通り揃うものの、お昼は瓶ビールだけというきまり。でも、ビール(サッポロ黒ラベル・550円)さえあれば十分満足。

では乾杯!

 

さばの味噌煮はここの看板料理。そしてあじのなめろうも外せません。昼は10種類ほどの定食があり、あれもこれも食べたい。そんなとき、昼酒ならばこうして両方楽しむことができます。

 

注文を受けてから三枚におろし、リズミカルにしっかりたたいて供される「あじなめろう」。食べごたえ十分な量なのに、不思議なほどにぺろりと食べ切れてしまうのは、鯵のものがよいから。

脂がのったぷりぷりの新鮮な鯵でつくるなめろうは幸せの一品です。

 

ビールをおかわりして、続いてさば味噌煮。カミとシモの部位別2種類があり、脂の旨味を楽しむならば断然カミ。甘めの白味噌で煮ています。

 

骨までほろほろなのに身は弾力があり、なによりこんなに煮込んでいるのに味の染み具合が絶妙なのが特長です。優しい旨味と甘い味噌の余韻がビールをぐいぐいと引き寄せます。

 

差し込む日差し。穏やかな午後のひととき。美味しいさば味噌・あじなめろうをつまみつつ、時間はゆっくり流れていきます。お昼の営業時間は16時ラストオーダーとゆったりしているので、昼食時を少しずらせば、のんびり楽しめます。

 

渋谷方向へ進む路線バスの停留所はお店の目の前です。ビールでほろ酔い、いい気分。帰りはバスで渋谷駅へと戻りましょうか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

魚力
050-5868-5432
東京都渋谷区神山町40-4
11:00~16:30・17:30〜20:30(日祝定休・昼と夜で内容が異なります)
予算2,000円(昼)



“渋谷「魚力」 神山町に深みを加える存在、100年鮮魚の大衆食堂” への1件のコメント

  1. おのっち♪ より:

    土曜のランチは決まってこの通りの私。
    昼はビールだけと知らなかった初めての魚力。。
    あぁ懐かしいから四半世紀!Σ( ̄□ ̄;)

    プロ、思い出甦る情報ありがとうございます(^^ゞ

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