広島「猿猴橋たまい」 瀬戸内の大衆イタリアンで鯉ボール。横丁飲みの魅力ここにあり


駅も電車も駅前も。いま変化の真っ只中の広島駅周辺は真新しさが溢れています。その中でぽつり、ぽつりと闇市の名残を今に残す古い町並みが残っていて、そのコントラストが実に心地いい。

駅前横丁は京都のリド飲食店街などにみられる屋内型の小箱が密集した飲食店街です。JR広島駅と地元球団広島カープの本拠地・”MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島”に挟まれた立地で野球ファンにはおなじみのエリアです。

予約で満席になることもある人気の安旨イタリアン「猿猴橋 タヴェルナ たまい」はこのディープな横丁を一層豊かなものにしています。

 

食べて飲んで楽しさいっぱい!と誘う黄色い看板に吸い寄せられるのがノンベエというもの。

 

居酒屋や街中華などがハモニカのように密集していて、この中を梯子するだけでも一晩じゃとても足りません。

 

「たまい」はカウンターだけの9席ほどの横丁酒場のような雰囲気。親子で切り盛りされていてカウンター越しに自然と会話がはじまり、店主を軸としてその日居合わせた人との一期一会の出会いに花が咲きます。これぞ横丁の醍醐味。

 

広島はキリンビールの工場があった関係もありキリン強し。もみじに厳島神社の鳥居、そして地元球団と広島人のソウルカラーともいえるレッドですが、キリンも赤い。

 

キリン一番搾りの樽生。状態がよくピカピカの一杯が嬉しいです。乾杯!

「たまい」をイタリアンと紹介するか飲み屋とお伝えするべきか悩みます。だって飲み物のラインアップが飲み屋そのものだから。酒は菱正宗、ワインは400円、なんとホッピーまであります。

 

お通しからお酒を飲んでと言わんばかりの内容。

 

地元広島の食材を中心につかった海鮮料理が豊富。典型的な大衆酒場の刺身とは違ったご当地の味わい方が魅力です。

 

料理は殆どが3ケタの価格で税込み。コース料理ではなく食べたいものを好きなように、まさに酒場スタイルで楽しめます。

 

「たまい」の常連さんで広島の飲食店街を隅々まで知るキリンビール社員さんのイチオシ「トリッパ」は、牛ホルモン系が苦手な人に筆者も自信をもってオススメできる逸品。独特なくせがなく、口の中でとろけていくよう。余韻にはただただ美味しいという印象が残ります。

 

赤いキリンと赤いカープがコラボした「鯉ボール」は広島のご当地ハイボールです。ほかにもカシスリキュールのソーダ割りで「鯉するカープ女子」や一番搾りとトマトジュースで「カープレッドアイ」など、赤にちなんだご当地カクテルもあります。とにかく広島はカープ色。

 

大皿に並ぶザガミ(渡り蟹)や牡蠣はぜひとも食べたい。長年洋食店をされているオーナーの仕入れる食材はどれも輝いて見えます。

 

洋食アレンジの牡蠣グリルに鯉ボール。これぞ広島という組み合わせ。

 

ビールやハイボールはもちろん、何と合わせてもお酒が進む牡蠣。ホワイトソースでとろっとしたコクを楽しむもよし、チーズでほっぺが落ちそうなほどトロトロの旨味に浸るもよし。燻製などほかにも牡蠣は定番の品書きにない食べ方を提案してくれるので次回も楽しみです。

 

〆は海苔と柚子胡椒のクリームパスタ。これでもかと瀬戸内海の海苔が絡み磯の香りいっぱい。白のグラスワインとあわせて、これでまたもう一杯とおかわりしてしまいそうです。

横丁ならではの同じ時間を共有する楽しさ、そしてピカイチの大衆イタリアンで飲み進める幸せ。予約が取れないこともあるという理由がよくわかります。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビール株式会社)

 

猿猴橋 タヴェルナ たまい
082-261-2901
広島県広島市南区猿猴橋町5-16 駅前横丁
17:30~25:00(日定休)
予算2,700円



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