小浜「とれとれ寿司」 小浜線に乗って若狭の幸を食べに行こう!市場のイートイン

小浜「とれとれ寿司」 小浜線に乗って若狭の幸を食べに行こう!市場のイートイン

若狭湾の海の幸といえば京都の高級割烹でも重宝されるブランド。鯖棒鮨につかわれる鯖に、名前を聞くだけでよだれが出てくる若狭ぐじ。冬のカニも魅力的です。東京からはややアクセスしづらい場所ではありますが、魚好きの方にはぜひ観光で訪れてほしい地域です。

小浜市はそんな若狭湾に面した漁師町。熊川、朽木を経由して京都は出町柳までを結んだ鯖街道の起点としても有名です。京都の食材に欠かせない小浜は、いまもたくさんの漁船が漁に出ています。

そんな小浜の漁師料理や水揚げしたての魚介類を楽しむならば、小浜駅から徒歩15分ほどの若狭フィッシャーマンズワーフとその周辺です。

 

さすがに京都から拾八里の小浜は歩くわけにも行かず、JR小浜線でアクセス。超ローカルなイメージでしたが、新型車両が行き交うので思いの外快適です。

 

舞鶴から小浜を経由し敦賀を結ぶ小浜線は、そのほとんどを若狭湾に沿って走るので車窓は”美味しそうな”海が続きます。

 

敦賀、舞鶴とも京都駅から特急列車がやってくるので、小浜を経由してぐるっと一周の旅も楽しい。

 

午前中、3時間も列車が来ない時間がある小浜駅。補完する形でJR高速バスも運行されているので、急ぐ旅なら高速バスという選択もありますが、旅情という点や海を眺めて缶ビールを飲む幸せを考えるとやはり電車がいいな。

 

城下町でもあった小浜は若狭の中心都市。歴史があるため料理も豊富で、湧き水に沈めて冷やす水まんじゅうでも有名です。その昔は遊郭もあった小浜は、衰退したとはいえいまも飲み屋街が大きく広がっています。

 

昔ながらの鉄骨アーケードと狭い道幅に懐かしさを感じるいづみ町商店街。魚屋をはじめ、老舗の大谷食堂など飲みどころも点在しています。

 

トロ箱にはぐじやタチウオの姿が。都市部の魚屋さんではまず見かけない高級食材がまるで売られています。

 

さらに歩くとフィッシャーマンズワーフとお魚センター、漁師食堂が並ぶ港エリアに着きます。食堂でドカンと海鮮丼を食べるライダーやトラックドライバーを横目に、朝から飲みたいので私は市場内の魚屋に併設されたイートイン「とれとれ寿司」へ。

とれとれ寿司といっていますが、パイプ椅子が並ぶ簡易的な席で、冷蔵ケースに並ぶ食材や寿司を買ってきてその場で食べてもどうぞという場所です。

 

お味噌汁、お茶はサービス。お酒はもちろん置いてあります。生ビールと瓶ビールも選べ、銘柄はアサヒとキリンです。日本酒はちゃんとお燗にもしてくれます。

 

キリンラガーの中びんをもらい、小浜名物の鯖ずし(1,250円)がおつまみ。では乾杯!

取材時、時刻は午前9時。観光遊覧船「蘇洞門(そとも)めぐり」もここから発着していますが、観光よりも朝酒に魅力を感じ乗船せず(笑)

 

ほどよく脂がのった鯖と程よい酸味と甘味の酢飯の均等がとれた味がたまりません。

 

やっぱりカニが食べたい!ズワイガニは高級なので、紅ズワイガニを選びましたが、まるまる1杯食べるという贅沢に笑顔が自然とあふれます。これでなんと1,200円ととっても良心価格。カニをむいてくれた市場のお姉さんいわく、地元の人は紅ズワイが身近な存在だそう。安さはもちろん、ズワイガニにも引けを取らない内子の美味しさ。まさにコスパ蟹。

 

活けを水揚げ直後に茹でているとのこと。バリバリと殻をむいてただひたすらに、食べて飲む。

 

最後はもちろん、熱燗を甲羅に流し込み、甲羅酒できゅっと飲み干せば太陽が昇りきる前から出来上がり。

 

港町価格の魚介類を肴に日本酒やビールをきゅっと飲む。小浜は京都から気軽にいける魚好きにはたまらない港町です。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

とれとれ寿司
0770-53-3977
福井県小浜市川崎1-3-2 若狭フィシャーマンズワーフ
8:30~19:00(12月~3月は9:00から・ほぼ無休)
予算1,700円