蕎麦屋飲み 銀座・築地編 – 蕎麦屋で飲む。ちょっと背伸びして。

蕎麦屋飲み 銀座・築地編 – 蕎麦屋で飲む。ちょっと背伸びして。

2017年8月15日

蕎麦屋で飲むことを「蕎麦前」と呼びます。江戸時代には居酒屋という業態は存在せず、酒屋の片隅で量り売りを飲む「もっきり」か、多くは蕎麦屋が飲み屋の役割を担っていました。

東京の伝統であり、居酒屋の原点でもある蕎麦屋で飲むという粋なひととき。皆さんは楽しんでいらっしゃいますか。

蕎麦屋で飲むとき、ちょっぴり大人になったような気がします。いつもの居酒屋も良いけれど、たまには昼食で、はたまた梯子酒で〆の一軒に、軽くお蕎麦屋さんで飲んでみませんか。

蕎麦屋飲みの特集、第一弾は食の宝庫「銀座・築地」をご紹介します。テーマは朝酒、昼酒、〆酒。使い安さ、歴史、地の利、様々に特長ある蕎麦屋で一献傾けましょう。板わさ、そば味噌、玉子焼と基本形で飲み進めるのも良いですが、蕎麦や丼ぶりの具をつまみにした一寸な飲み方もよいですよ。

【2017.08.16更新 今後、順次追記していきます。】

 

スポンサーリンク

1.長生庵

築地場外市場のビルに入る”市場の蕎麦屋”。最近はとなりに中央区が設置した築地魚河岸・小田原橋棟が完成し、中央卸売市場移転後も築地の賑わいの中心に位置する立地にあります。

創業から40年以上の老舗。平日の市場稼働日は朝7時から営業する頼れる存在。観光客だけでなく地元住民や白長靴姿の市場関係者も午前中に立ち寄る地元の定番です。

場外とはいえ、ほぼ市場という立地ゆえに、海鮮をつかった料理に定評があり、天ぷらも牡蠣やハモなど季節に応じて旬の食材が品書きに反映されます。天ぷらだけでなく、刺身も充実していて、まぐろ・しらす丼にごま油を少し垂らした海鮮丼系が美味。セットで頼んで、天ぷらや丼ぶりの魚をつまみにサッポロ黒ラベルを飲むのがちょうどいい。なにせ、利用するのはいつも朝なので、ここで勢い良く日本酒に行くのはやや悩むところです。

 

 

2.布恒更科

築地小学校の脇から兜町へ抜ける道「平成通り」には、明治35年創業の宮川食鳥鶏卵や 大正13年創業の築地玉寿司本店など、老舗が多く店を構えています。さらに昭和47年までは都電が走っていたというのだから驚きです。そんな平成通りで人気の蕎麦屋といえば、「築地布恒更科」です。屋号の通り、更科の系譜にはいる一軒で、大森にある蕎麦喰いを惹きつける銘店「布施更科」の分店です。

すだちを輪切りにしたすだち蕎麦や、まぐろの漬けなど常連さんがこぞって注文する人気料理。こち天でちびちび日本酒も良いですが、お昼ごはんがてら飲むならば冷やしたぬき蕎麦。あたま(具)を肴にささっとヱビスの瓶(670円・小鉢つき)を一本空けて、それから蕎麦をすするのが好きです。日本酒は田酒などの銘柄が変わり続けていきますが、どれもなかなかの顔ぶれ。

 

 

3.築地薮そば

築地でもりもりとお腹いっぱい食べたいときは、おもしろ市場 築地共栄会(KYビル)の地階にある築地の薮そばへ。上野薮そばが総本店で、その流れにある店舗。明治創業の上野薮そばは風格ある上品な雰囲気ですが、こちらは築地らしく普段着でお財布だけもって飲みにいける雰囲気。名物は1,390円の天丼とせいろのセット。瓶ビール(赤星・黒ラベル)をつけて2,000円でお昼から大満足できます。

天下の藪だからと臆することなく、巨大な穴子をはじめとした海老天などの天ぷらで飲んで〆そばを楽しみたいときにぴったり。筆者は天丼のご飯や蕎麦を「さくら」(少なめ)にしてもらっています。それでも天ぷらが大変な量なのですが…

 

 

4.桂庵 銀座三丁目店

銀座通りから東に入った通りから木挽町にかけては、並木通り沿いのような派手さはないですが、だからこそ古きよき庶民的なお店が多く残っています。桂庵もそのひとつで、製紙大手の王子ホールディングスの本社のすぐそばにある街蕎麦屋。細く喉越しがよく、歯ごたえがしっかりあるつるっとした蕎麦が特長。佐賀県産の海苔をつかった海苔おろし蕎麦(700円)は、なるとにおあげ、揚げ玉が入った具だくさんで、これをつまみに350円のそば焼酎蕎麦湯割りがいい気分。

銀座3丁目にありながら、蕎麦と焼酎を飲んで千円ちょっとで済むので、仕事帰りにちょっとだけ飲みたいというときにもおすすめ。日本酒は大関、ビールはアサヒか黒ヱビスを用意しています。

 

 

5.泰明庵

外堀通りとコリドー街に挟まれたエリアは高級クラブや料理屋のイメージが強いですが、比較的リーズナブルに銀座らしさを楽しめる美味しいバーやビストロ、レストランも豊富です。そんな一画で50年以上の歴史を持つ老舗「泰明庵」は、この界隈で働く人にとっておなじみの蕎麦屋です。お洒落なレストランに囲まれながら、ここだけ時が止まったような変わらぬ木造の佇まい。相席ごめんでみんなでワイワイと食べて飲んでいく大衆的な蕎麦屋です。まるで居酒屋のように、厨房側の壁にはずらりと短冊の品書きが連なり、とくに海鮮メニューが充実しています。日本酒は出羽桜を始めバリエーション豊かで街蕎麦の域におさまりません。

笑顔が素敵な女将さんに「飲んでいくの?」と聞かれたら思わず「はい」としか言えません。つまみが充実、昼時以降は飲むほうが主となる蕎麦屋なので、鈴廣の上板わさやまぐろ煮を肴に静かに一献傾けてみては。

 

 

6.そば所よし田

DSC06013

銀座でそば前を楽しむといえば、「よし田」を紹介しないわけにはいきません。銀座6丁目にあり続けて130年。銀座和光とほぼ同時期にのれんを掲げました。創業131年目の年に新店舗に移り、きれいで上品な空間となりました。昔は資生堂本社のすぐ近くにあり、アパレルや化粧品、宣伝関係の人たちからの慕われてきたお店です。コロッケそば発祥の店としても知られています。

そば所よし田のつづきはこちら

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)