町屋「ときわ町屋」 古典食堂の未来の可能性。63年目の新店


町屋ときわ食堂本店が6月19日、復活しました。2015年に惜しまれつつも閉店し、約2年間にわたる準備が完了し、待望の新店舗が同じ場所に誕生しました。

老舗の食堂が世代交代や建て替えを経て、新たな時代に向けて歩みを始めたということは、ただ「ときわ食堂」が新しくなった、という事実だけではなく、古典食堂全体にとっても明るい話でしょう。

明治の頃に繁昌した料亭・常磐花壇に原点をもつ浅草のときわ食堂が、東京各地にあるときわ食堂の源流です。東京下町を中心にいくつもあるときわ食堂ですが、そのほとんどは浅草のときわ食堂からの暖簾分け。

 

町屋のときわ食堂も、浅草のときわ食堂で修行をつんだ町屋ときわの初代が昭和26年に開業し、1954年(昭和29年)に町屋で店を開いたのがはじまりです。当初は牛すじ丼と酎ハイを看板に掲げる店だったそう。

都内各地のときわは、戦後の復興の中において食の安定に貢献した民生食堂・東京都指定食堂・大衆食堂です。外食の多様化のなかときわ食堂も数は減りましたが、そんな大衆食堂ときわが2017年になって店を建て替えたのだから、新たな歩みを感じずにはいられません。

 

町屋のときわ食堂は、東京メトロ千代田線町屋駅に直結したサンポップマチヤの地階と、町屋駅徒歩2分の京成の線路沿いにある本店の2つがあり、本店建て替えの間はサンポップマチヤ店は今まで以上の賑わいで、平日の夜でも満席で入れないこともありました。

 

一階が食堂です。建物はピカピカですが、ざっくばらんな賑わいは昔ながらの雰囲気。建て替え後の二階は、もともとサンポップマチヤ内にあったときわ寿司部が独立した形で「寿司割烹ときわ」の暖簾を掲げます。

 

ドリンク、料理メニューともに大きな変化はなく、価格もほぼ変わらずです。日本酒は升酒・冷酒ともに埼玉県上尾の酒蔵・文楽酒造とマニアックなチョイスも心惹かれます。

 

ときわ食堂のビールは、やっぱりアサヒが似合います。長い歴史、暖簾分けの中でもずっと変わることなくアサヒが愛されてきました。飾りのない「Asahi」文字だけのシンプルなジョッキもときわ食堂らしい。状態ばっちり・美味しい樽生スーパードライで乾杯!

 

昔は朝からやっていたときわ食堂。ときわ食堂周辺にはタクシーの営業所や三河島水再生センターなど夜勤のある事業場が多く、仕事明けで朝から飲むお父さんたちで賑わっていました。

その名残もあって、料理は居酒屋系から丼ぶりまで幅広い品揃え。なにより毎日通いたくなる価格も魅力です。

 

創業当時の名物・牛すじは長年通う常連さんに今でも人気です。カレーライスと天丼、カツ丼が並んでいるのも素敵でしょ。※ノンベエなので丼ぶりはいただきませんが…

 

焼きはんぺんなどをつまみに、楽しいひととき。初日に伺いましたが、ときわ食堂の復活を待っていた多くの常連さんたちで相席快諾で満席状態。初めましての人とも打ち解けられる明るい雰囲気も昔のまま。

 

ときわファンの皆さんは、酎ハイ類はなにがお好きですか?すっきり甘くない強タンサンのレモンハイ?それとも、自家製のお茶ハイですか。

 

私は牛乳ハイ(450円)が好き。マイルドでごくごく飲めるのに、とっても酔っ払う下町の美味しい一杯。銭湯からの酒場へ階子する人には、ぜひ銭湯の牛乳はお預けとして、ときわでぐいっと飲んでほしいです。※飲酒は適量で自分のペースで。

 

町屋のときわ食堂は揚げ物は、ぱりっと仕上がっていておすすめ。550円とちょっぴり贅沢だけど価値を感じるエビフライ、それにバラカツや春巻き、アジフライ、イカフライなど種類が多いのも特長で、まさしく食堂の花形です。

 

ハイボールの濃さも以前のまま。下町食堂で長居をすると酩酊一直線。お酒は楽しく程々で。

 

長きに渡り人々を見守ってきた扁額は、真新しい店舗でも歴史の厚みを感じさせてくれる存在です。

ピカピカの厨房、居心地のいい明るく清潔な空間、今の時代にあった空間に生まれ変わったときわ食堂の今後が楽しみです。女性のお一人様でも心配ご無用のアットホームな食堂ですので、ぶらりと一献いかがでしょう。

 

二階は家族連れも安心な寿司割烹ときわ

食堂とは別に階段を登った二階は、町屋ときわの寿司割烹が営業を開始しました。もともとサンポップマチヤ内のときわ食堂で「寿司部」と呼ばれていた寿司屋で、ときわ食堂の支店で構成される”東京ときわ会”で唯一の寿司屋です。建替え中の間も、町屋の路地裏でひっそりと営業していたのはファンの間では有名です。

 

一階と二階でメニューは異なるのでご注意を。ビールは大びんで600円。もちろんアサヒスーパードライです。よく冷えた瓶ビールをそーっとビアタンに注ぎ、ぐいっと飲んだときの喉越しは最高です。

二階で改めて乾杯!

 

サンポップマチヤ時代とは異なり、一階と二階は完全に別店舗扱いとなっていて、双方の料理を取り寄せることはできません。それでも、大衆食堂内寿司屋時代の名残はいまも強く、並ちらし丼850円ととてもリーズナブル。

 

価格面の名残とは別に、新店舗になってパワーアップしたのが刺身などのおつまみ、一品ものです。開店初日ということで日替わりはでていませんが、今後のさらなるパワーアップもありそうで、楽しみです。

 

広く、明るく、使いやすそうな厨房で、楽しそうに調理をするご主人。一階の食堂もそうですが、見覚えのあるスタッフや大将、女将さんが楽しそうに切り盛りされている姿が印象に残りました。

 

セット握りは850円からとリーズナブル。本格的なお寿司屋さんのかちっとした雰囲気ではなく、”ちゃんと”ときわらしい雰囲気で、家族連れでも安心して使えるのも変わりません。

 

店先の花の数から愛され具合を感じます。各地のときわ食堂や東京ときわ会からの花のほかに…

 

タクシー会社の方からも花が届いているのが素敵です。

生まれ変わって、より明るく元気に、それでも変わらない下町の人情感じる名食堂へ、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

ときわ食堂
03-3805-2345
東京都荒川区荒川7-14-9
1階食堂:11:00~14:00 17:00~22:00
2階寿司部:11:00~22:00
予算1,900円



“町屋「ときわ町屋」 古典食堂の未来の可能性。63年目の新店” への1件のコメント

  1. おのっち♪ より:

    裏路地の寿司部で私も時を重ねた口です(/o\)
    食堂が元気な街はうらやましいですv(^o^)
    牛乳ハイ飲みに行かなくちゃ(^w^)
    プロ、情報ありがとうございましたm(__)m

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