旭川「うえ田」 日本最北の角打ちは、酒愛がとても素晴らしい

旭川「うえ田」 日本最北の角打ちは、酒愛がとても素晴らしい

北海道第二の都市・旭川。ここに日本最北端の角打ちがあります。※Syupo調べ

札幌ほどの賑わいは流石にないのですが、街中には多数の居酒屋が立ち並び、老舗の焼鳥屋が入る横丁や、駅前ビルの地階にもミニ新橋のような世界が広がっています。観光名所といえば旭川動物園がまず候補に挙がりますが、ノンベエにはこの街の夜こそ観光の目玉です。

 

旭川駅の電光掲示板には、網走や稚内といった北限の地の駅名がでていて、はるばる飲みにきたなーと旅情を感じます。

 

酒場で隣り合った地元の飲兵衛の大先輩曰く、昔はいまの何倍も栄えていて、酒場からパブ、スナックに夜の世界までそれはもうどんちゃん騒ぎだったそうです。その残り香が街中にまだまだ多いですが、不思議なことに飲み屋のシャッター率は低い。ビール各社も、アサヒの北海道支社道北支店が、キリンは道北支社が、サッポロも旭川支店を構えており、酒場はまだまだ元気のようです。

 

駅前を歩くこと10分、飲み屋街は想像以上に広い。函館のように分散していない分、梯子酒も楽。ここに最北の角打ち・うえ田があります。

古くからの酒販店で近隣の飲食店向けの業務用がメインですが、独自の強い仕入れネットワークで陸奥八仙や獺祭などの人気銘柄を販売しており、近隣の日本酒ファンの強い味方となっています。

 

代替わりをした現在の店主が、もともと業務用倉庫としてP箱やら大樽が積まれていた空間を小売スペースとして改装。しかもとてもセンスがいい。

筆者も角打ちは日本全国巡っていますが、これほど女性も入りやすいおしゃれな店はないかもしれません。東京のお酒屋さんにも負けないレベル。

 

角打ちではあるものの、なんでも飲めるというわけではなく、一杯300円程度で日本酒の”もっきり”が楽しめます。升の角で打つから角打ちですが、オシャレなのでワイングラスで円打ち(笑)

おつまみは、酒屋さんなので定番の乾きもの。

地元北海道の日本酒でも珍しい生酒・男山雪しばれなど個性的なものを用意しているので、道内のお酒を知るのにも使えます。また、佐久の伴野酒造など全国の個性ある蔵も立ち飲みで楽しめるのは素晴らしい。

もともとビールメーカーの営業マンだった店主。家業を受け継ぎ、全国の蔵を巡り直接取引を増やすなど大変努力をされています。蔵元がやってくる試飲会も開催していますので、旭川の人は必見です。お昼からやっていますので、観光や出張のついでに軽く一杯というのもおすすめ。

最北端の角打ちは、いい意味で”まさか”の熱意溢れるお酒屋さんでした。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

うえ田
0166-26-3636
北海道旭川市3条通6丁目(2・3仲通り) うえ田ビル1F
13:00~25:00(日定休・日が祝日の場合は翌月曜休)
予算1,200円