旭川「銀座ライオン旭川店」 明治43年建築、日本最北端ビヤホール


ビヤホールが好きです。まだ暮れきらぬ時間に、夕日が差し込む店内で飲むビールは生き返ります。日常の中の非日常、「はぁー、このために今日も1日がんばってきた」なんて言葉が自然と出てくるのだから、ノンベエで良かったとつくづく思えます。

銀座や梅田、ビール工場や本社直結のビヤホールが有名ですが、最北端はどこにあるかといいますと、実は旭川。

 

「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー これが世界の三大名産地です」というキャッチフレーズで日本麦酒(現:サッポロビール)が広告を打っていたましたが、さらにその北になります。

札幌駅からは136キロの道のり。1時間25分で旭川まで結ぶ特急ライラックは便利な存在です。毎時走っていて割引きっぷもあるので、札幌で何泊かされるのでしたら、日帰り旭川というのもおすすめ。

 

割引きっぷで浮いた金額で、キヨスクでビールを買って楽しい空知・石狩平野の旅へ。

 

北は増毛山地、東は夕張山地。本州の車窓とは規模が違う、ダイナミックでこれぞ北海道という車窓が延々と続きます。

 

旭川は道内産ホップの大多数を製造する富良野にも近く、またビール大麦の一大生産地であるオホーツク地域と道央の連絡地点でもあり、旭川とビールが関係は古い。旭川市とサッポロHDが「包括連携協定」を結んでいることもあり、サッポロファンの多い地域です。

 

日本最北端のビヤホールは、お馴染みのサッポロライオン。明治43年建築の赤レンガ倉庫を改築したビヤホールで、開拓ロマンの香りが随所に感じられます。天井は高く、クラシカルな内装もあいまって、旅路の距離だけではなく時間をも旅した気分になります。

 

取材日は春だというのに時折ダイヤモンドダストが舞う旭川。ビールの庫内温度よりも外のほうがよっぽど冷えています。首都圏は、常時ビール樽を暖めないように工夫をしていますが、北海道では逆に凍らせないための工夫が大変なのだとか。

 

吹き抜けの天井で広々。そしてポカポカに暖かい空間。寒くても喉が渇いてビールが飲みたくなるのは、カラッとした気候の北海道ならでは。

 

まずは、悩むことなく小グラスで乾杯。ライオンは大小様々なジョッキが用意されていますが、基礎はこの小グラス。大きいものを頼まず、これをこまめにお代わりするのが通だと話す銀座の常連さんを知っています。

 

銀座ライオンに似ているようで異なる旭川のライオン。メニューもオリジナルです。

 

なにより、クラシックがあるのが嬉しい。オホーツクの大麦と富良野のホップの結節点で飲むクラシックはまた格別。

 

メインは看板の通りジンギスカンです。90分生ラムジンギスカン食べ放題コースが2500円。サイドメニューも豊富に揃っているので、ジンギスカン屋ということでもなく、あくまでビールが主体のお店です。

 

定番もよいですが、お店のおすすめで注文した旭川しょうゆ焼きそばが個性的で楽しい。旭川しょうゆ焼きそばはこの地域のご当地グルメです。協会に加盟している店舗で14店、その他も含めると30店舗近くあるそうで、ライオンも加盟店。

 

2011年に誕生した町おこし系ながら、米粉麺を使用し、炒め野菜や海鮮、ホルモンに天ぷらまで載るダイナミックさもあり、ビールのお供として十分な逸品。

 

もともと煉瓦工場の倉庫だった建物はビヤホールとして使われている今も、店内には本格的な暖炉を構えるなどそうとう立派な造りです。

 

外の寒さを忘れて、暖炉のぬくもりを感じながら飲むビールもよいものです。いつも飲んでいるエーデルピルスも、また違った味わいに感じます。そうそう、サッポログループの店舗ではありますが、場所柄、旭川由来の鍛高譚を置いています。

 

あちこちと梯子酒をする前に、どっしりと構えた北海道らしいビヤホールでまずは喉を落ち着かせてはいかがでしょうか。駅から徒歩わずかな距離にあるので旅の起点としても便利です。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/株式会社サッポロライオン・サッポロビール株式会社)

 

銀座ライオン 旭川店
0166-24-7211
北海道旭川市宮下通11-1398-2
11:45~14:30・17:00~22:00(年末年始休・基本無休)
予算3,000円



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