【閉業】両国「東京商店」 東京の地酒勢揃い、利き酒マシンでおちょこ一杯300円

【閉業】両国「東京商店」 東京の地酒勢揃い、利き酒マシンでおちょこ一杯300円

2017年1月5日

日本酒の製造量を県別にみてみると、1位:兵庫県、2位:京都府、3位:新潟県となります。お酒に詳しい人ならば基礎教養といえるかも。意外なことに、関東地方では埼玉県が5位にランクインしています。(2013年国税庁データより)

それでは、東京のお酒はというと37位。こんな小さなエリアながら、吟醸酒発祥の地・熊本県や、千代むすびや日置桜が有名な鳥取県よりも上位にいるのは意外ではないでしょうか。

東京都内の日本酒酒造場(東京都酒造組合加盟)は10蔵です。皆さん、全部覚えていますか。奥多摩の澤乃井、赤羽の丸眞正宗、あと、えーっと。

そんな東京の日本酒だけを集めた角打ちが、JR両国駅併設のエキナカ「両国 江戸NOREN」にオープンしました。もともとは総武線の始発駅だった両国駅は、現在使用している改札の脇に大きな旧駅舎が残されていて、その建物を再利用して誕生した施設です。

 

両国国技館や江戸東京博物館の玄関に位置することから、施設内は江戸の街並みや土俵が再現されています。

 

両国 江戸NORENの中の一軒が、今回ご紹介する「東京商店」です。年中無休で午前11時から通しで営業しています。

 

運営は神楽坂でセンスのよいキレイ系な飲食店を展開する企業ということもあり、角打ちでありながら若い女性グループも安心して立ち寄れる明るい雰囲気が特長です。

 

東京諸島部で製造される焼酎や都内で製造されるワイン、東京都にこだわったお酒の肴が販売されています。東京・両国にある東京のアンテナショップ的な存在といった感じです。

 

店内で売られているものは、そのまま角打ちコーナーに持ち込みオッケー。

 

もちろん、ちょっとした小皿の肴も用意されており、三品で300円とリーズナブルです。いくつかある中から、気になるものをチョイス。※JR系施設ですが、交通系ICカードの支払いは対応していません。

 

東京商店という店名の通り、東京生まれのものばかり。デパ地下の顔ぶれではない肴の、ほっこりした味を再発見できます。さて、おつまみも用意したし、お酒を持ってきましょう。

 

店の奥に並ぶ自販機風の利き酒マシン。3台で計30種類の銘柄がセットされています。本醸造~純米酒系、吟醸酒系、大吟醸系と販売価格別に並ぶ。どれを飲んでも300円均一ですが、売値が高いお酒は注がれる量が少ないです。

 

澤乃井の大吟醸はJR青梅線 沢井駅前の小澤酒造で試飲をしたことがありますが、丸眞正宗の大吟醸はとっても貴重です。いや、多満自慢の大吟醸はもっと珍しいかな。

 

東京出身ながら、一度も味わったことのないお酒がまだまだ多い。 八王子の地酒「桑乃都」を城東でもっきりできる日が来るとは思わなかったです。

 

電気式燗どうこ「かんすけ」くんが用意されていますので、購入したお酒を自分で燗酒にすることも可能。温度計もあるので安心です。

どうでもいいですが、「かんすけ」くんこと、サンシンTKD-4型は税込売価6万円近くする高級品です。

話がそれてしまいましたが、和らぎ水を飲んで本題の続きへ。

 

地方の新幹線の駅には、たまに地酒を飲み比べできるコーナーがありますが、東京で、東京のお酒だけというのは今までありませんでした。全国から美味しいものが集まる東京ですが、今一度、地元の味を知るのも良いかもしれません。

 

いっぱい飲みたいから…ではなくて、純米酒が好きだから私はこのあたりからチョイス。

 

菰樽の上にガラスでテーブルを作ったオシャレな雰囲気。立ち飲みで、一人、二人でちょいとつまんで、気になる日本酒を飲み比べましょう。

 

両国が通り道で、東京の地酒に興味をお持ちの方は一度覗いてみてはいかがでしょう。お昼から通しで飲めるので、オフの日にどうぞ。平日は会社帰りの近隣のビジネスマンで賑わいます。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

東京商店
03-5637-8262
東京都墨田区横網1-3-20 両国 江戸NOREN 1F
11:00~23:00(基本無休)
予算1,200円


※酒販店の直営ではないので厳密には角打ちになりませんが、業態から判断し角打ちカテゴリーとしました。