梅田「カミヤ」 一晩中ハッピーアワー、安い早いが当たり前の梅田地下街

梅田「カミヤ」 一晩中ハッピーアワー、安い早いが当たり前の梅田地下街

小銭で一杯飲める店を探している人にとって、大阪は楽園なのではないでしょうか。東京ならば間違いなく人気店になるであろうレベルの店がざらにあるのです。あぁ、本当に羨ましい。しばらく引っ越して飲み歩きたくなるくらい。

そんな憧れの小銭酒場は天満・京橋、そしてここ梅田駅前ビルの地階が充実しています。今回は駅からのアクセスも便利な駅前ビルから、「カミヤ」をご紹介します。

もともと駅前ビルが誕生する1970年以前は闇市だった場所で、そこに作られたビルの地下街は、いまも闇市系横丁の気配が随所に残っています。そんな駅前2ビルの地下で2016年5月オープン、周りには切磋琢磨された老舗の競合が暖簾を掲げる中にできた新店です。

 

パチンコ屋、ゲームセンター、個人経営の喫茶店、そして酒場がマーブルになっているこのビルはオジサンの楽園です。楽園のハッピーアワーは長く、「カミヤ」も14時から23時まで一晩中ハッピーしています。

生ビールと唐揚げ、ポテトサラダがついてこの価格は安い。羨ましいぞ。

 

立ち飲みライクながら簡易のハイチェアーが用意されている今時のスタイル。低く腰掛けると長居する気分になりますが、このちょいと引っ掛けていける感じは梯子好きにはちょうどいいかも。

 

ここは大阪、徒歩数分の堂島には関西を代表する総合酒類企業のサントリー本社があり、この界隈のサントリーの強さはすごい。さすがお膝元といった感じです。※アサヒもキリンもサッポロも頑張っています!!

ということで、ビールはサントリー。ザ・プレミアム・モルツ・香るエールが350円。私の知る中で、香るの最安値が更新されました。サントリーの社名の由来となった赤玉ワインも280円、日本酒は今話題の銘柄が豊富に揃って350円~。

 

乾杯は香るエールで。きめ細やかな泡から広がるホップのフルーティーな香りが心地いい。

 

料理の主体は海鮮で、日替わりのメニューでは揚げもの、肉類もちょこちょこといった感じ。名物はウニといくらのこぼれ寿司です。

 

まぐろの中落ちをもらって、ちびちびとつまみながら香るエールを。お通しなどはもちろんなく、これで済ませれば小銭飲み。

平日17時。お客さんが次々集まってくるのですが、女性のお一人様が多いのが印象的。仕事終わりにまっすぐ帰らず、馴染みの店で一杯、または駅前ビルの開拓で引っ掛けていくというのが根付いているのが素敵です。

 

うにいくら寿司は600円のサイズを。軍艦ではなく巻きずしの上に載せられています。いくら・うに、魚卵系好きにはたまらない。さぁ、気分が乗ってきました。もう一品、ポテサラいっちゃう?

 

空けきりで入れ替わっていく日本酒は、その日のラインナップが黒板で紹介されています。90ccで350円~なので、気になるものをちょいと飲むのにちょうどいい。ゼロ次会で1合飲んじゃうと一軒目で酔っ払っちゃうから、控えめらしておくとか。

 

鈴木酒造店(山形県長井)のお酒・壽(ことぶき)を。酵母がいきた生酒で、微発泡のシュワシュワと柑橘系の甘酸っぱさが楽しめる一杯です。寿屋(現サントリー)が近いからとノリで頼んだのはここだけの話。

 

甘酸っぱくてシュワシュワ繋がりで、続いては赤玉パンチ。赤玉スイートワインをソーダで割ったもので、似たものには京都の「ばくだん」があります。ワインをソーダで割ったと言うと最初はためらう人もいるのですが、これぞ大阪・小銭酒場の味です。

たっぷり入って280円、ワインとソーダの割合は1:1くらいかな。全然酔わない感じですが、ここはゼロ軒目、大阪の夜はこれからが長いのでスローペースでいきましょう。

お昼から通しでやっていて、ワンコインでちょいと摘んで帰るもよし、喫茶店やファストフード感覚で使える立ち寄り処です。給水所としてどうぞ。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

大衆酒場カミヤ
06-6341-8855
大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル B1F
11:30~23:20(不定休)
予算1,200円