高円寺「定食のヤシロ」 昔なつかし昭和食堂でいっときの安らぎを


東京にはいくつか食堂チェーンが存在します。代表格は、城東側で店舗数の多い「ときわ食堂」で、東京ときわ会という組織が存在します。本店は浅草にあります。

そして、城西側はといえば、店数は少ないものの歴史があり、地元の人達に長く愛されている「ヤシロチェーン」が有名です。荻窪、方南町、練馬、そして今回紹介する高円寺中通り商店街で営業する4店舗が現役です。(筆者のクローリング漏れがありましたら、情報をいただけると幸いです。)

ヤシロチェーンは黄色い品書きに臙脂(エンジ)色の暖簾と決まっているようで、とくに原型を留めていると思われるお店が、今回ご紹介の「定食のヤシロ」です。「おふくろの味、早い!安い!うまい!」のキャッチフレーズが一周回ってかっこよく見えてきます。

昔ながらの書店や金物屋と、今風の雑貨屋やカフェが交ざるこの商店街にぴったりの佇まい。まさに杉並区内の中央線沿線らしい食堂と言えるでしょう。

 

ショーケースに小鉢が並び、厨房を眺めながら食べる一人用のカウンターが奥へ伸びます。テーブル席が数卓あり、夕方にこのテーブルに座って店内に置かれたテレビの情報番組を見ながら酒坏を傾けるのが最高です。片手に夕刊なんていうのもいい。

大衆食堂はいつの時代も、ながらメシの場所だと思うんです。18時頃の民放の情報番組で「京王百貨店では北海道物産展で大賑わい…」なんていうニュースをぼーっと眺めて飲むのがいいのですが、共感してくれる人がどれ程いらっしゃるか(笑)

 

ビールはアサヒスーパードライ。そういえば、やしろは全店アサヒでしたっけ。昭和全開の薄抹茶色のテーブルに、どっしりとした瓶ビール。なんという安定感・安心感。

ビアタンではなく、ヒヤタンに注ぐのもご愛嬌。では乾杯。うん、この「いつもの感じ」がいいものです。

 

いつもの感じといえば、食堂ならば鯖味噌ではないでしょうか。甘くトロトロに煮込まれた鯖は、脂がのっていて、口の中ですっと身離れしていきます。旨味の余韻に、キクマサや白鶴などの普通酒のお燗や、瓶ビールをきっゅと合わせていく。

 

肉じゃが・ヒジキ・切り干し大根・里いもなどは150円から、鯖味噌にサンマ、鯵やホッケなども200円~。マカロニサラダなどもほとんど200円前後で、安いと評判の立ち飲みよりもリーズナブルで、なにより良心的なものを感じます。おひたしや胡麻和えなどの野菜小鉢も充実していて、味付けは穏やか。ここに来ればバランスの良い食事も簡単です。

昔は当たり前に思っていた大衆食堂、でも、その内容は今の時代でも十分に通用するものではないでしょうか。寡黙な大将の作る家庭的な味で乾杯しませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

定食のヤシロ
03-3330-4632
東京都杉並区高円寺北3-17-3
10:30~15:00/17:00~23:00(日定休)
予算1,200円



“高円寺「定食のヤシロ」 昔なつかし昭和食堂でいっときの安らぎを” への1件のコメント

  1. わんず より:

    ヤシロいいですよね!ビールの銘柄ですが、僕の地元の荻窪店では「金麦」が出てきた気が…サントリーを出す店舗もあるんでしょうか…?

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