【閉業】本八幡「づめかん(酔いどれ)」 裏路地でゆったり、うらぶれ酒場を味わう

【閉業】本八幡「づめかん(酔いどれ)」 裏路地でゆったり、うらぶれ酒場を味わう

2016年6月7日

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いい意味であらぶれた酒場。そういうところでときには一人ぼーっと飲みたくなることはありませんか?話題の新店舗、行列を作る人気酒場、ターミナル立地で次々飛び込みのお客さんが入ってくる居酒屋。わいわいとしたことで飲むのは楽しいけれど、自分の心の状態と解離しているとなんだか落ち着かない。今日はどこか路地裏でこそこそと飲みたい。

そんな気分になったのは総武線にのっているとき。さて、船橋や小岩の飲み屋街へ繰り出すのもいいけれど、たまには本八幡で飲んでみよう。この街はJR総武線のほか、京成と都営地下鉄新宿線も乗り入れるちょっとした交通の要所なのですが、そのわりに飲み屋はさほど多くない。

駅前はパチンコやゲームセンターなどが並び、ぱっと見た感じ飲み屋街はみつからない。ですが、ここは駅前ロータリーから一本裏へ入ったところに隠れるように赤ちょうちんがあるんです。まるで、表から隠れるように。

そんな本八幡で立ち飲むとしたらやはりここではないでしょうか。江戸川区や千葉県に数店舗展開する「づめかん」。本八幡店は駅近くにありながらも、初めての人はGPSを頼りにしないと見つけられないような場所にあります。

ファサードの剥がれた感じ。縄のれんにぼんやり灯るビールメーカーの協賛ちょうちん。なかなかいい感じでうらぶれているでしょう?

 

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店内は右にカウンター、その前にカウンターとテーブルが並ぶビールケースとベニヤ板を組み合わせた簡素な作り。海の家に角打ちを足して適当にやれた感じにしたらこんなふう。それが逆に作りこまれているコンセプト居酒屋と違い、意外と落ち着くのです。

ビールは瓶がスーパードライですが、常連さんはほとんど「生」と呼ばれているクリアアサヒのジョッキを飲んでいます。400ほど入るサイズで250円、これは安い。今日は予算1,000円でのんびりしましょうか。乾杯。

 

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づめかんはどの店舗もそれぞれ個性的な海鮮が多く、日替わりで様々なものが出るので冷凍のNB品はちょっと…というお父さんたちにも人気。※NB品=ナショナルブランド

づけの鰤をつまみに新ジャンルをぐいぐいと。鰤が200円なので、まだワンコインにすらなっていない。

 

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150円のそら豆をもらって、生をもう一杯おかわり。これで850円か。手元のじゃら銭の枚数を数えながら、もう一品いくか酎ハイにするかを悩みます。まるで駄菓子屋に少ないお小遣いで買い物に来た子供のような気分。

千円の予算でいま850円だから、あと150円ある。酎ハイが150円というのは、関西や東京下町と並べてみても安過ぎる。甲類をソーダでビルドするだけなので、そりゃそうなのでしょうけれど。

 

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きっちり千円で飲みきって、今日はおしまい。なんだかのんびり飲みたい、そんな気持ちは十分に満たされて、縄のれんをかき分けてお外へ。お店の外までお見送りに来てくれるのですが、千円でそこまでされるとなんだか照れちゃいます。お客さんに近寄りすぎず、常連ともべったり絡まず一見と同じように接している接客は簡単そうで難しいと思います。

ほろ酔い時間をありがとうございました。ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

づめかん 本八幡店
千葉県市川市八幡2-13-1
116:00~1:00(基本無休)
予算1,000円