【移転】亀戸「仲よし」 怪しい路地裏に灯る赤提灯、縄暖簾の向こうにあるものは

【移転】亀戸「仲よし」 怪しい路地裏に灯る赤提灯、縄暖簾の向こうにあるものは

2016年2月19日

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突然ですが、路地裏はお好きですか?人がすれ違うのがやっとの細い道にぽつりと灯る赤提灯を見つけたときに、入りたいという衝動にかられる方とは仲良くなれそうです。ここ、私道だよね、入っていいのかな…なんていう道は、たとえ酒場がなくても覗いてみずにはいられません。

飲兵衛の勘というのはおもしろいもので、「きっとこの先に何かある」と思って潜り込んでみたら、案の定良いお店が見つかったりするものです。

そうして見つかったお店の中から今回のおすすめはこちら、亀戸の「仲よし」です。かなり渋い見た目、縄のれんの向こうの曇りガラスから中をちらりと覗いてみると、これがまたいい雰囲気しているじゃないですか。もう入るしかありません。今夜はここに出会うために一日があったのです。

 

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ビールは黙ってサッポロビール!焼酎は100cc、ナカ3ソト1。極意というか、もう狙い撃ちされている気がします。

 

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店内には漫画本がずらり。天井にはやたらと扇風機があり、ぼんぼん時計がリズムを刻んでいます。カウンターあり、テーブルあり、サブカル感があり、中央線沿線の酒場っぽくもあるのですが、お客さんもお店の方も、とてもワイワイとされていてやはりここは下町酒場でもある。中央総武緩行線の黄色い電車が繋いだ東西折衷酒場というフレーズがぴったり。

 

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昔ながらのビール大びんが乾杯に推奨されているのが嬉しいじゃないですか。ラガー黒ラベルとは?と質問すると、どうやら(ラガー・黒ラベル)と中黒を入れるのを忘れてしまったらしい。それもまたイイ!

キリンとサッポロ、どちらも捨てがたい。店先には「黙ってサッポロビール」だし、店内にはキリンの装飾がふんだんにあり、どちらも飲みたくなる。ええい、両方だ!(笑)

 

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やっちゃいました。黒ラベルとキリンクラシックラガー、両方大びんがどん。合わせて1266mlですが、あっという間でしょう。中野を向いてラガーから始めるか、恵比寿を向いて黒ラベルか悩む、恵方巻き的発想。

乾杯!

 

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酒場に似合う両社。文明開化以降の日本の酒場の長い歴史において、この二社が途絶えたことがありません。どっしりと構えた大木のような存在感、変わらぬ美味しさ。読者の皆さんもどちらかの、もしくは両社を愛する方ばかりではないでしょうか。

 

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さて、ビールで興奮してしまいましたが、フードをみていきましょう。バー的な使い方であんまり食べなくても良いのですが、ここの料理はボリュームが有ったり個性的だったりと、ぜひ試してみて欲しいです。

 

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ポテトサラダの盛りが半端なく多い、餃子も立派なものが鉄板にのって出てくる、なんて話もありますが、売り切れゴメンなので、今日は別をチョイス。

 

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注文してから蒸す焼売。海老と豚の二種類が入っています。ぷりぷりしていて美味。酒場の焼売が大好物です。

 

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焼売にはやはり横浜つながりでキリン?それとも吉祥寺つながりでサッポロ?
まだ言っている、この話(笑)

ところで、ここは酒場なのに、メニューに「餃子」という項目があるくらい餃子が名物なのです。東京餃子通信の塚田さんにもレビューしてもらいたいものです。

 

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デンとでてきた外はカリっと、なかはふっくらジューシーな厚揚げ。たっぷりの薬味が豪快に盛られています。厚揚げって、「まぁこんなもんだよね」ということが多いじやないですか、ここの厚揚げは感動します。味のバランスも良いし揚げ方も上手です。

 

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ビール、次は生樽に行こうかな、黒ラベル10Lと一番搾りの15Lが私の膝の横に置かれているのがさっきから気になっています。でも、ここはやはりお店の個性を楽しむということで、割り系かなと。下町ですから、例のアレがありますし。

 

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ウィスキーや焼酎もあっちにこっちにとすごい種類。メニューの書き方が整理されていなくて、それがまた楽しくなっちゃいます。

 

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例のアレとは、ホッピーもバイスもありますが、やはりこれでしょう。焼酎ハイボール!お店の名前がついた「仲よしハイボール」です。配合は秘密。でも梅酒やクエン酸の風味、なんとなくウィスキー感もあります。日によってレシピが微妙に変わるという証言もあり。

一杯300円でこんなにナカが入っているのだから超お得です。撃沈しないように要注意で。

 

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ちなみに、炭酸はカナダドライの瓶に入っていますがお店でつくる炭酸ディスペンサーから注がれるもの。ボッコンボッコンと泡立っていて瓶から勝手に噴き出してくるほど。

そしてナカをおかわりすると、なんと量がさらに多く、7割くらいまで入ってきます。ひぇー、さすがに梯子してたどり着いた体なので、これを飲むと危ないかも。でも、そんな心意気がとっても嬉しくて。

 

 

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さて、〆のフードをもうひとつくらい。ここで大きな過ちをしてしまうことになるとは…

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まさか、こんなに巨大だとは思わなかったんです。ナポリタン!午後11時に、ダイエット中と言いながら一般のレストランの2倍はあるかというナポリタンをつまみに食べているというのはいかがなものか。フードファイターじゃないんですけれど(笑)

でも、このナポリタンがめちゃくちゃ美味しい。野菜がたっぷりで溶けずに形を保っているカットトマトがごろごろとしています。中を見てみるとスパゲッティはそんなに多くなくて、餡が多いようです。

これを最初にオーダーし、最後までこれ一品をおつまみに食べる人もいるのだそう。これは素晴らしい。酒場ナポリタンマニアの皆さま、必見です。

 

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こんな素敵な仲よしですが、2月末で移転されるそうです。このお店を修理して、またこの地に戻ってくるそうですが、素敵な酒場が変わっていくのは寂しいですね。これからもよい酒場を続けてくださいませ。素敵なマスターと、おしゃべり上手のお姉さんと盛り上がる夜でした。

皆さま、お早めに!ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

仲よし食堂
03-5858-0410
東京都江東区亀戸5-14-3
予算1,800円