人形町「一新」 幅3尺の路地裏にある銘店はピンクの電話が目印

人形町「一新」 幅3尺の路地裏にある銘店はピンクの電話が目印

2016年1月30日

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人形町は歴史ある街。歴史あるところに名酒場あり!というこで、人形町は大人がしっぽりと楽しめる老舗酒場が多く、東京の他の街にはない一種独特な情緒を感じる飲み屋街が広がります。甘酒横丁など有名な通りもいいけれど、この街は路地裏こそ楽しい。幅3尺しかない、普通ならここは人が通らないでしょうというような路地にひっそりと店を構える「一新」もそんな路地裏を楽しむ名酒場のひとつです。

店内に入りきらなかったと思われるピンクの電話が店前に設置されているのがおもしろい。赤ちょうちんに縄のれん、素敵な外観。でもさすがに一見では開けにくい曇りガラスの扉。でも、勇気を出して引き戸にてをかけましょう。

 

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壁に貼られた短冊はほっとできる大衆酒場の顔ぶれがずらり。価格も400円前後とリーズナブルです。人形町駅から徒歩1分の立地なのに、さすが路地裏価格。

お店は女将さんがお一人で切り盛りされています。とても親切な方で、それが店全体のムードにもなっていて、空間に温もりかまあります。

会社帰り、ふらりと立ち寄って、カウンターで世間話しながらのんびり飲めたら幸せだろうなぁ。

 

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古いお店なので生ビールのジョッキはいまだに90年代の赤い星マークが現役!樽も大びんも黒ラベルを置いています。分厚い杉の一枚板のテーブルに瓶ビールがよく似合うでしょ。

それでは乾杯!

 

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おつまみですが、もともとこちらはホルモン焼き屋さん。とはいっても自分で焼くのではなく、女将さん炒めてくれるもの。甘辛の味付けでビールとよく合うのですが、普通の居酒屋としての利用もおすすめです。テーブルに焼き台がないので安心。

お刺身、煮物、炒めものなどありますが、どれもとても丁寧に作ってくれるので、その手間がまた嬉しい。

ねぎとろは注文を受けてから葱とまぐろをあわせてたたくところから始まります。

 

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熱々の栃尾揚げに醤油をちょっぴり。さくさく食べているとお酒が進む進む。日本酒といきたいところですが、ここは実は酎ハイが名物ドリンクです。

 

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これが一新の酎ハイ。ぱっとみた感じは普通のピュアなものなのですが、よく観察してると泡がほとんどたっていません。そう、ここの酎ハイはめちゃくちゃ濃いのです。まるで甲類のロックを飲んでいるような度数に、普段は勢い良く飲む人でもこれはゆっくり飲まないとたいへんなことになりそう(笑)

グラスには「万上」の文字が入っています。万上といえばキッコーマンのみりんのブランド名ですが、昔はキッコーマンも焼酎をつくっていました。そのときの名前が万上焼酎で、トライアングルなどが主力商品でした。2005年にキッコーマンは焼酎事業をサッポロビールに譲渡して、いまはサッポロが引き継いでいますが、万上の文字は消えています。なので、ここのグラスはとっても珍しい!

 

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酎ハイはどれも相当な濃さ。薄いよりは濃いほうがいい主義の私はこれがたまりません(笑)
あっという間に飲み干して、つづいて玉露割りへ。この緑色が、これぞ居酒屋緑茶って感じですね。

 

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冷やしトマトをつまみながら、のんびりと酎ハイを飲みつつぼんやり過ごす夜。大箱の酒場でわいわいするのもいいけれど、たまにはこうして知られざる老舗でしっぽりというのも大変いいものです。

お客さんも地元で働く酒場が似合う人生の先輩ばかりで、店は騒がしくもなくいい時間が流れています。

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

一新
03-3666-5965
東京都中央区日本橋人形町2-6-12
17:00~22:00(平時営業)
予算2,200円