こんにちは!
横浜で一番の繁華街、野毛。
飲食店が数多く並び、夜になるとたくさんの飲兵衛が梯子酒を楽しむ街。
この街でもっとも歴史を感じるお店が「武蔵屋」さんです。
営業日は週にわずか3日。
火曜日、水曜日、金曜日だけ。
時間も短く17時から20時30分までの二時間半だけ。
幻のお店とも言われている武蔵屋ですが、古典的な飲み屋さんが大好きな人にはたまらない雰囲気でみちあふれています。
大きな道から一本入った坂の途中。
お店の看板はありませんが、暖かな光がもれていればそれが営業中のしるし。
それでは、1950年代にタイムスリップしてみましょう。
店内に品書きはありません。
そっと席について、「ビールにしますか?お酒にししますか?」という質問にまずはビールと答えます。
大瓶と小瓶があり、銘柄はキリンラガービール。横浜らしいですよね!
料理もオーダーはとくにせずに出てきますので、それを楽しみます。ひとつひとつの味がよくて、食べることに納得します。
さて、お酒を飲みましょう。ここの銘柄は櫻正宗ひとつのみ。土瓶でお燗しているお酒をガラスのコップに高いところから勢い良く注ぎます。これが武蔵屋のお酒のひみつ。特撰櫻正宗がさらに上等なお酒に感じます。
おからの味付けがバランスよくて絶妙です。これだけで3杯飲めてしまいますね♪
里芋はこの大きさ。ごろんと立派。皮をするすると剥がしてちょっとお塩をつけて食べれば、それはもう幸せです。
カウンターの雰囲気、女将さんの素敵な笑顔、やっぱり武蔵屋さんは落ち着くなぁー。
お酒は2杯め。お酒の数に合わせておつまみがでてきます。
鰹出汁がしーっかり効いているのですがくどさはなく箸が進みます。そしてお酒も進みます。
お豆腐も、お店で削る鰹節も、大きな鱈も、どれも落ち着くし美味しいです。
3杯目です。納豆とお漬物が出てきます。
武蔵屋さんはお酒好きな人たちから三杯屋さんの別名で呼ばれていて、「3杯飲んだらおしまいね」 というのがお約束。
しっかり食べながら飲んで欲しいから料理もでてきます。
武蔵屋さんでみんなが楽しみにしているこの納豆。特別なものではないのです、でもこの3杯飲んだところで納豆を食べるというのがとても心地よいのです。
若い人が来て騒ぐこともなく、みんなで60年以上の歴史を感じながら静かに飲む、そんな雰囲気の飲み屋さん。
看板猫の「くろ」くんが気持ちよさそうにアクビをしながら私たち飲兵衛を見守っています。
15年間、くんくんは何を思って酔っ払い達をみてきたのでしょうか。
最後に、「おばちゃんからです」と、猪口一杯のお酒を頂いて、とってもいい気分。
静かにしっぽり飲む人だけが楽しめる名酒場です。
ごちそうさま。
夜総合点★★★☆☆ 3.5
☆野毛で梯子酒ならばこちら
桜木町「世界のカクテル山荘」 昭和のバーが野毛の終着点
桜木町「新京」 安くて美味しい野毛の家